
※スマート・イノベィションズ株式会社の工場にて撮影
| 会社名 | スマート・イノベィションズ株式会社 |
|---|---|
| 施策対象商品 | 業務用厨房機器ブランド「ミセラボ」、水素調理機器 |
| 提供サービス | Webサイト制作(日本語版・英語版)、SEO対策、Web広告運用 |
| 目的 | 体験価値の可視化による国内集客の最大化と、米国・水素調理機器を見据えた海外展開の基盤づくり |
| 効果 | 表示回数は約100倍・クリック数は約23倍に。問い合わせはほぼゼロから月40〜50件へ |
使ってもらって初めてわかる、ミセラボの商品力
――まずはスマート・イノベィションズの事業内容を教えてください。
スマート・イノベィションズ株式会社 吉田さん(以下、吉田さん):
私たちは業務用の厨房機器メーカーです。機器の販売だけでなく、「ゼロベースで飲食事業を始めたい」という方のサポートまで手がけているのが、ひとつの大きな強みですね。三重県伊賀市に自社工場があり、製品をそのまま販売するだけでなく、お客様のオーダーに合わせて細かく調整したり、一台まるごとオーダーメイドで製作したりできます。

たとえば窯なら、外観のペイントはもちろん、タイル貼りにも対応できます。うちの窯は断熱性能が高いので、外側にシールを貼って楽しんでいただくことも可能です。450℃くらいで使っていただいても、外側は触って50℃いかないくらいになります。
お子さんがピザ焼き体験で触っても安全なので、店舗のイベントなどでも使っていただけます。他社さんにはできないデザインで楽しんでもらえるのが、私たちの強みです。
――今回サイト制作を依頼された背景には、どんな課題があったのでしょうか。
吉田さん:
うちの製品は「使ってもらって初めてわかる」魅力が多いんです。たとえば溶岩石のピザ窯は、遠赤外線効果が普通の窯よりずっと強く、生地の中まで直接火を入れるのが得意。だから水分が保たれたまま焼き上がって、冷めてもおいしい。
でもそれって、結局その場で食べてもらって初めて伝わる良さなんですよね。紙やネットの情報だけでは、どうしてもイメージが湧きにくい。使ってもらわないと伝わらない魅力を、写真やテキストの静的な表現だけでどう感じてもらうかに頭を悩ませていました。
そこを「なんとかならないか」という、少し無茶なお願いが今回の出発点でした。
「ショールームに来てもらう」をゴールに据えたサイト設計
――課題に対して、マスドライバーはどんな体制で向き合ったのですか。
株式会社マスドライバー 代表 牧野徹郎(以下、牧野):
今回は、日本語版と英語版のサイト制作に加えて、SEO対策とWeb広告の運用まで一気通貫でご支援しています。制作の中心は、クリエイティブディレクターのじょんと、アートディレクターの高松。吉田さんがおっしゃる「使ってもらわないと伝わらない魅力」を、どう直感的に届けるか、から一緒に考えていきました。

――具体的には、どんな解決策を考えたのでしょうか。
株式会社マスドライバー クリエイティブディレクター 西城 玲菜(以下、じょん):
最初の打ち合わせで「とにかく直感的に”良さそう”と感じてもらいたい」というオーダーをいただいたんです。なので、ものを見せる、数を見せるというビジュアル重視をまず第一に。
そして「試してみたらわかる」を一番の肝として、”とにかくショールームに来てもらう”ことを最大のゴール(コンバージョンポイント)に設定しました。プラスで、そのまま購入してくださる方もいたらいい、という二本立てで設計しています。

吉田さん:
営業からも「ショールームに来て実際に触ってもらえると承諾率がぐっと上がる」と聞いていたので、そこを狙うのは正解でしたね。
――「使ってもらわないと伝わらない」魅力を、写真やデザインでどう表現していったのですか。
じょん:
料理は特に難しいので、ディレクションでは料理撮影を専門にされている方にも協力いただきました。ポイントは、焼いている最中の”思わずよだれが出そうな瞬間”をどう切り取るか。チーズがジュワッと溶けるところ、ハンバーグのデミグラスソースがふつふつする動画、湯気が見えるカットなどを意識して撮りました。

株式会社マスドライバー アートディレクター 高松 規子(以下、高松):
サイトデザインでは、シズル感のある料理写真と、スマート・イノベィションズさんのデザイン性の高い調理器具を全面に押し出しています。「かっこいい」「これなら美味しそうなものが作れそう」と直感的に感じてもらうためにあえて写真をかなり大きめに使い、サイト全体の装飾は削ぎ落としてシンプル・スタイリッシュに仕上げています。
写真を引き立てて、ショールームへの来訪につなげる設計です。「よくある厨房機器のホームページにはしたくない」というご要望もあったので、そこは強く意識しました。

じょん:
商品の説明ページも、PCだと左側に画像を固定して、右側の文章がスクロールしていく見せ方にしました。直感的に「なんか良さそう」って思っていただくことを念頭に置いて、文字量はあっても”多さを感じさせない”設計を心がけています。
高松:
また、ページ下部には細かい仕様や設計図、ギャラリーを置いて「ちゃんとした厨房機器メーカーだ」という信頼感も担保しています。ファーストビューで離脱せず最後まで見てくださる方に、きちんとした情報が届くように、というバランスですね。
吉田さん:
実際にサイトを見ていて、商品の説明ページは「見やすいな」と思っていました。今回あらためて意図を聞いて、「そういうところまで考えてくれていたんだ」と思いましたね。
和やかな現場と、細部へのこだわりが生んだクオリティ
――施策や制作の進行に不安はありませんでしたか。
吉田さん:
制作の途中で担当が変わる場面もありましたが、定期的に連絡をいただいていたので、「今どうなってるんだろう」という不安は全然ありませんでした。撮影も3日間ご一緒しましたが、現場がとにかく楽しくて。和やかな雰囲気で撮れたことが、そのままクオリティの高さにつながっていたと思います。

――撮影で大変だったことはありますか。
じょん:
ステンレス製品の撮影は本当に大変でした。特にエスプレッソマシンの「ボストーク」は360度シルバーで、布で覆っても写り込んでしまう。上に置くマグカップまで反射するので、マグカップの色の並びまで考えて……。最終日に2人で延々と撮り直しました(笑)。
高松:
出来上がった写真も、写り込みから一つひとつ細かくレタッチを調整しましたね。少し使用感のあったグリルなども、レタッチで新品同様のきれいな銀色に仕上げています。

――そこまで作り込んだうえで、ご自身では出来を100点満点で何点と感じますか?
高松:
自分の中では90点ですね。残りの10点は、公開後の運用やテキストのSEOといった、リリースしてからどれだけ伸ばせるか。そこはチームで100点にしていきたいところです。
新規ドメインでもSEOと広告で、問い合わせが10倍以上に
――SEOでは、どんなところを工夫されたのですか。
牧野:
この業界は競合がとても強くて、抜きん出た3〜4社がほぼ独占している状態でした。しかも今回は新しいドメインでサイトを作り直す、いわばゼロスタート。先行する競合が何本もコンテンツを積み上げている中では、とにかく勝ちづらいんです。
だからこそ工夫したのが、まずはコンテンツの質と量です。たとえば業務用厨房機器のテーマなら、1万字・2万字といった踏み込んだ記事を、オリジナルの写真や画像も使いながら丁寧に作り込んでいきました。

もうひとつは、「順位を上げて終わり」にしないこと。SEOは「来て、すぐ離脱」ではダメで、2ページ目・3ページ目を見たり、問い合わせを送ったりというポジティブな行動が伴わないと、Googleに”価値のないサイト”と見なされて上がっていきません。
だからこそ、SEOで訪れたお客様にサイトの中で魅力を感じてもらい、ショールームへの問い合わせまでつなげる。集客から見せ方、コンバージョンまでが一体の流れになっていて、まさにワンチームで作り上げたものだなと、改めて感じています。
――広告運用についてはいかがでしたか。
牧野:
月に数十万円の予算で、7割ほどを「まさに調理器具を探している方」に向けた検索広告に、残り3割をスマート・イノベィションズの名前を広める認知(ブランディング)広告に振り分けています。
厨房機器はそもそも買い手がかなり限られる商材なので、どの層に配信するかの最適化には難儀しました。ですが、細かく丁寧に運用し続けることで精度を上げていきました。
たとえば「ビーフセラー」という製品は、広告を出してから問い合わせが立て続けに入るようになって、2か月ほどで在庫切れに。広告と突き詰めたサイトデザインが、実際の販売に直結しているとはっきり見えた瞬間でしたね。
吉田さん:
実際、「ビーフセラー」の広告を出していただいたときは、そこから問い合わせが立て続けに入ってきて、「これはさすがにここなんじゃないか」と感じました。その後も定期的に問い合わせが入るようになったので、広告運用についても信頼感がありましたね。
――実際の成果はいかがですか。
吉田さん:
以前は本当に、ほとんど問い合わせがありませんでした。でも今は、週に10〜12件、月にすると40〜50件くらい入るようになりました。問い合わせの窓口として用意している、電話もLINEもメールも全てに連絡が来ていて、本当にありがたいです。

牧野:
それは良かったです(笑)。問い合わせ前の数字でもはっきり出ていて、ミセラボのホームページが検索結果に出てくる回数はリニューアル前の1週間で230回だったのが、撮影直前の1週間で22,893回。およそ100倍です。表示後のクリック数も32回から737回へ、23倍近く伸びました。
これは広告を除いた自然検索だけの数字です。ここに広告からの集客も加わるので、問い合わせがここまで増えたのは、SEOと広告の両輪あってこそです。
見せ方を変えた英語版サイトで海外に「選ばれる理由」をつくる
――今後の海外展開については、どう考えていますか。
吉田さん:
正直、厨房機器そのものは世界中にメーカーがあって、「日本製です」というだけでは選ばれません。でも、うちには他にない武器がある。ひとつは今回のサイトでも押し出した”デザイン性”と”一台まるごとオーダーメイドで作れる”という体験価値。ですから、今回のミセラボのホームページも、日本語版だけではなく英語版を用意して、全世界に向けて事業展開していきたいと考えています。
もうひとつが水素です。水素の調理機器やバーナーは、世界を見てもほとんど競合がいない領域なんです。つまり「あえてミセラボを選ぶ理由」を、いちばん強く打ち出せる。日本で通用したこの見せ方を、今度はそのまま世界に持っていきたいと考えています。ミセラボを、日本発で世界に選ばれるブランドにしていく。そこは本気で狙っています。
――その英語版サイトも、マスドライバーに依頼される予定でしょうか。
吉田さん:
はい、これも完全にお願いするつもりです。日本で結果が出たので、海外もこのチームと一緒に攻めていきたいんです。
牧野:
ありがとうございます(笑)。水素バーナーは炎そのものが目に見えづらいので、撮影もデザインも、正直かなり手強そうですが、チームがなんとかしてくれると信じています(笑)。
ただ、ここで一番お伝えしたいのは、海外版は「日本語サイトを翻訳したもの」では絶対にない、ということです。
とくにアメリカ向けは、見せ方の設計思想からまるで違う。マスドライバーでは事業者のアメリカ進出支援もしていますが、英語版と日本語版で制作のやり口を変えています。
日本語版は情報をしっかり載せたほうが、日本のお客様は安心して問い合わせてくださる。一方でアメリカ向けは文字をほとんど使わず、画像と動画で直感的に伝える。問い合わせもフォームより電話が主軸という文化なので、「どこをゴールに置くか」から作り直すことになります。
――サイトをそのまま翻訳するだけでは終わらないんですね。

牧野:
まったく違います。しかも、海外で集客できたとしても、勝負はそこからなんです。電話は国際電話で受けるのか、現地に拠点を構えるのか、何語で対応するのか。サイトを作って集客するだけでなく、問い合わせから購入、その後のフォローまで全体を設計していくことになります。
ミセラボの製品力は、日本ですでに数字として証明されました。次はそれが、世界という一番大きな市場でどこまで通用するのか。決して生半可な挑戦ではありませんが、だからこそ燃えるものがあります。日本発のブランドを世界へ押し上げていく仕事を、本気でやらせていただきたいと思っています。
次は水素調理機器で、もう一度「100倍」を
――最後に、これからマスドライバーに期待することを聞かせてください。
吉田さん:
やっぱり次は、水素のサイトをお願いしないといけませんね。あれもゼロからのスタートじゃないですか。だったらもう一度、100倍を期待しています(笑)。
牧野:
いや、すごいプレッシャーですね(笑)。でも、ゼロからもう一度、精一杯やらせていただきます。引き続きよろしくお願いします、本日はありがとうございました。
