英語でのSEO対策とは?英語圏向けコンテンツの作り方から注意点解説

「英語でWebサイトを作っても、海外からのアクセスが増えない」
「英語圏向けの集客サイトをどう作成すべきか分からない」
「既存の日本語コンテンツを活かしたいがやり方が分からない」

このような悩みを抱えている方も少なくないでしょう。国内向けの日本語コンテンツでは検索上位を獲得できても、英語でSEO対策をすると思ったような成果を得られない事例も珍しくありません。

この記事では、英語でSEO対策をするときに大切なポイントについて、英語圏向けコンテンツの作り方から注意点まで一挙に解説します。

国内SEOだけでなく、海外展開向けマーケティング施策も行っている弊社が体験に基づく失敗例も紹介しますので、ぜひご参照ください。

この記事の目次

日本語と英語でSEO対策をするときの違い

SEO対策において、日本語と英語の根本的な違いはありません。どちらも、SEO対策では「優れたコンテンツ」「ユーザビリティの高いデザイン」「検索エンジンに評価されるサイト設計」の3点が求められます

とはいえ、考慮すべきポイントは大きく異なります。具体的な違いは以下のとおりです。

1. 検索エンジンの利用状況

  • 日本語SEO:日本ではGoogleが圧倒的なシェアを誇るため、Googleのアルゴリズムを理解し、それに合わせた対策が主流
  • 英語SEO:英語圏ではGoogleに加え、BingやDuckDuckGoなども一定のシェアを持つため、複数の検索エンジンに対応した対策が必要になる場合もある

2. 検索キーワード

  • 日本語SEO:日本語は類義語が多いほか、短い単語を組み合わせた検索が多く、キーワード選定も複雑になりがちなため、検索意図を正確に捉える必要がある
  • 英語SEO:英語はフレーズや文章での検索が多く、キーワードのバリエーションも多岐にわたるため、適切なキーワードを選定すれば、競合との差別化を図り上位を獲得しやすい

3. コンテンツ

  • 日本語SEO:日本語では丁寧で詳細な説明が好まれる傾向にある。また、ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツを作成することが重要
  • 英語SEO:英語では、簡潔で分かりやすい表現が好まれる傾向にある。画像・動画コンテンツも多いほか、ターゲットに基づく文化や習慣の違いを考慮したコンテンツを作成する必要がある

英語のSEO対策は必要なのか

成熟市場の日本を飛び出し、成長が著しい海外市場へ目を向けるとき、英語圏のSEO対策は非常に有効です。2024年は円安も追い風となって、製造業を中心に海外での売上拡大に期待が高まっています。

また、インバウンド需要が急増しているのも英語のSEO対策が重視される理由のひとつです。そこで、「自社Webサイトの英語化」「海外の潜在顧客を獲得する英語圏向けSEO対策」を行えば、国内に拠点を構えながら海外ユーザーに向けてさまざまな販路を獲得できます

ただし、英語のSEO対策は世界を見据えたマーケティング施策だからこそ、市場の競争が激しいのも事実です。

たとえば、オンラインの流通・小売業界では「Amazon」「eBay」、旅行宿泊では「Booking.com」「Airbnb」などさまざまな有名サービスが存在します。英語圏向けのSEO対策では、すでにグローバル展開されたサービスが競合です。

とはいえ、日本独自の商品やサービス、文化を商材として取り扱ったコンテンツには根強い人気があるのもポイントです。英語のSEO対策は競合数こそ多いものの、日本のコンテンツを海外展開している企業数はまだ成長途中にあるため、新規顧客を獲得する見込みがあると言えます。

日本企業が海外展開するうえで、「言語」の問題は避けて通れない

英語でSEO対策を行うメリット

英語圏向けにSEO対策を行えば、ターゲットを拡大して幅広く顧客を獲得できるのは大きなメリットです。英語でSEO対策を行う具体的なメリットは以下のとおりです。

  • アプローチできる市場が広がる
  • 安定した集客効果が望める
  • 国内にいながら海外ユーザーの集客を行える

ここでは、英語でSEO対策を行うメリットについて、それぞれ得られる恩恵を解説します。

アプローチできる市場が広がる

英語でSEO対策を行うもっとも大きなメリットが、アプローチできる市場・ユーザーを広げられる点です。英語は世界でもっとも話者数の多い言語であり、全Webサイトで英語コンテンツが占める割合は5割超えです。

出典元:Statista Japan「2024年1月時点 インターネットで最も使われている言語(全ウェブサイトに占める割合)」
出典元:Statista Japan「2024年1月時点 インターネットで最も使われている言語(全ウェブサイトに占める割合)

つまり、SEO対策に英語コンテンツを取り組むことで、多くのユーザーに自社の商材を訴求できます。

また、2024年には英語話者数が15億人を超したともされており、世界の共通言語とも呼ばれているのが実情です。そのうち英語を母国語にしているのは3億人超え、第二言語として学んでいるのは10億人を超すとされています。

出典元:Statista Japan「2023年 世界で最も話されている言語」
出典元:Statista Japan「2023年 世界で最も話されている言語
言語名話者数(単位:100万人)
英語1,456
中国語1,138
ヒンディー語609.5
スペイン語559.1
フランス語309.8

つまり、英語でSEO対策を実施すれば、第二言語として学んでいる世界各国のユーザーに対してもアプローチできるのがメリットです。市場を大きく広げて、新規顧客の開拓につなげられます。

安定した集客効果が望める

SEO対策を英語で行うメリットのひとつに、安定した集客効果を望める点があげられます。SEO対策によって英語圏で検索上位を獲得できれば、特別な労力をかけずに安定したアクセスが見込めます。

コンテンツが一度検索上位になれば、その後は24時間集客し続けられるのが魅力です。長期にわたって集客できるようになるため、事業の将来性を見据えるなら英語圏向けのSEO対策は非常に有用な手段だと言えます。

Web広告の平均CTR
  • 検索の平均CTR:9.4%
  • ディスプレイ広告による平均CTR:1.5%

とある調査によると、アメリカの検索結果におけるCTRは「1位/39.8%」「2位/18.7%」「3位/10.2%」と多くのトラフィックが検索上位に流れています。SEO対策によって検索上位を獲得すれば、ディスプレイ広告を打つよりも優れたCTRを達成できるのが特長です。

さらに、広告出稿とは違い英語でのSEO対策はコンテンツを作成すれば追加費用はかからず継続的に集客できるため、費用対効果も優れた集客を行えます。

国内にいながら英語圏ユーザーの集客を行える

英語を用いたSEO対策をする大きなメリットに、国内にいながら英語圏ユーザーを確保できる点が挙げられます。日本にいながらにして、世界中の英語圏ユーザーをターゲットにした集客が可能です。

従来のビジネスモデルでは、海外展開を考える際、現地法人設立や海外支社の開設など、多大なコストと労力を伴うことが一般的でした。しかし、インターネットの普及により、物理的な距離の制約を受けずに、世界中のユーザーにアプローチできるようになったのは大きな変化です。

英語のSEO対策を実施すれば、検索エンジンを通じて、英語圏の潜在顧客の目に触れる機会を増やせます。

英語圏から集客例
  • 越境ECサイト:英語で商品情報を発信し、英語圏からの注文を獲得
  • インバウンド需要:英語で観光情報を発信し、訪日外国人旅行者を誘致
  • オンラインサービス:英語でサービス内容を説明し、英語圏ユーザーの利用を促進

英語でSEO対策をするデメリット

英語圏に向けたSEO対策は、日本語圏に比べて多くのユーザーにアプローチできる点がメリットである一方で、いくつかのデメリットもあります。英語でSEO対策を行う具体的なデメリットは以下のとおりです。

  • 時間やノウハウが求められる
  • SEO対策はコストをかけても必ず成功するとは限らない
  • 既存の日本語コンテンツを直訳するだけでは効果が薄い

ここでは、英語でSEO対策をするデメリットについて解説します。

時間やノウハウが求められる

英語でSEO対策をするときは、時間やノウハウが求められる点に注意が必要です。英語SEOを効果的に行うには、英語のニュアンスや文化的背景、ネイティブが行う検索行動に対して深い理解が求められます

そのため、「検索キーワードをどうするか」「トレンドはどうするか」「サイト構造やサーバーはどこに設けるか」などの課題があります。

ほかにも、ターゲット層に響く質の高い英語コンテンツを作成するには、ネイティブの優れたライティングスキルも必要です。社内に英語SEO対策を行える人材がいない場合は、コンテンツ作成の外注やコンサルティングなどの投資を含めて、一定の時間やノウハウが求められます。

SEO対策はコストをかけても必ず成功するとは限らない

綿密なプランを立てて英語圏向けにSEO対策のコンテンツを作成しても、検索上位を獲得できるとは限りません。英語圏市場は競争が激しく、特に英語市場に不慣れな企業や進出企業にとっては、人気のキーワードで上位表示されるのは難しくなっています

目に見える成果が出るまでにはかなりの時間と労力が必要となる場合があり、英語SEOへの投資が必ずしもプラスのリターンをもたらすとは限らないのも事実です。

そのため、英語圏向けにSEO対策コンテンツを制作したにもかかわらず、費用だけがかさんでコンバージョンにつながらない事例も見られます。また、SEO対策自体も流動的で、数年前に通じた手法が現在も通じるとは限りません。

定期的なアルゴリズムの変化に追従してSEO対策を進めていく必要があるため、英語SEOでどのような投資効果を得られるか、完璧に予測するのは難しくなっています。

英語圏向けSEO対策で上位を獲得すれば大きなリターンと費用対効果を得られるが、実現には適切なスキルとノウハウが必要

既存の日本語コンテンツを直訳するだけでは効果が薄い

すでに既存の日本語コンテンツを単純に英語へ翻訳するだけでは、理想的な結果を得られない可能性が高まります。直接的な機械翻訳は、英語話者が期待する自然な流れや文化的なトレンドに配慮できない可能性が高まります。

また、検索エンジンは質の高いオリジナルコンテンツを求めています。英語コンテンツとして置き換えると、日本語コンテンツでは存在しなかった「英語で充実した競合」が浮かび上がるため、検索上位を獲得するのが難しくなってしまうのも事実です。

英語圏向けSEO対策をするときは、既存の日本語コンテンツをベースに、ターゲット層の検索ニーズを踏まえたうえでいくつか手を入れ直す必要があります。

英語圏向けSEO対策で成功するための重要な考え方

英語でSEO対策を行うとき、成功に一歩近づくためにも、2つの重要な考え方が存在します。

  • 質の高いコンテンツを重視する
  • 英語SEOのメリットと必要なコストを把握する

ここでは、英語でSEO対策を考えている方へ、成功に重要な考え方についてそれぞれ解説します。

質の高いコンテンツを重視する

英語圏のSEO対策においても、日本語SEOと同様に、質の高いコンテンツがもっとも重要です。ただ英語に翻訳しただけのコンテンツや薄い内容のコンテンツでは、ユーザーの検索意図を満たせず、検索エンジンからの評価も低くなってしまいます。

英語圏のユーザーを惹きつけるコンテンツを作成するためには、以下の点に留意しましょう。

  • ユーザーの検索意図を理解する:英語圏のユーザーがどのような情報を求めているのか、どのようなキーワードで検索しているのかを徹底的に調査し、ニーズに合致したコンテンツを作成する
  • 専門性と権威性:その分野における専門知識や経験に基づいた情報を提供し、信頼性を高める
  • 独自性:他のサイトにはない独自の視点や情報を盛り込み、ユーザーにとって価値のあるコンテンツにする
  • 読みやすさ:英語の表現や文法に注意し、ネイティブスピーカーにも違和感のない、読みやすい文章を作成する

たとえば、「和紙製造など日本固有の文化を現地で体験できる」といったサービスは、英語向けSEO対策との相性に優れています。特に、「現地で体験できるニーズ」は専門性と権威性において優れた価値があり、インバウンド需要を求めている方にも英語圏向けSEO対策はおすすめです。

英語SEOのメリットと必要なコストを把握する

英語SEO対策には、時間やコスト、専門知識など、さまざまなコストがかかります。対策を始める前に、英語SEOによって得られるメリットと必要なコストを比較検討し、費用対効果を見極めることが重要です。

英語SEOのメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • グローバル市場へのリーチ拡大:英語圏のユーザーを獲得し、ビジネスの拡大につなげられる
  • ブランド認知度の向上:世界中の人々に自社の製品やサービスを知ってもらえる
  • 競争優位性の獲得:英語SEOに積極的に取り組む国内企業はまだ少ないため、先行者利益を得られる可能性がある

一方、英語SEOに必要なコストとしては、以下のような費用が考えられます。

  • コンテンツ作成費用:質の高い英語コンテンツを作成するには、ネイティブスピーカーのライターや翻訳者への依頼、または英語ライティングスキルを持つ人材の育成が必要
  • SEO対策費用:キーワード調査やコンテンツ最適化、被リンク獲得など、専門的なSEO対策を行うための費用が必須
  • 時間的コスト:英語SEOの効果が出るまでには時間がかかるため、長期的な視点で取り組むコスト

英語SEO対策は、適切な戦略と投資によって大きな成果をもたらす可能性がありますが、メリットとコストを十分に理解し、自社の状況に合わせて慎重に進めることが重要です。

英語圏向けSEO対策で行うべき7つの施策

英語圏向けSEO対策をするうえで、充実したコンテンツ作りは必要不可欠です。それに加えて、英語圏向けコンテンツを制作するときは、以下の7つのポイントにも着目する必要があります。

  • 国や地域に根付いた検索結果を調べる
  • SEOを意識して言語別にURLを用意する
  • 日本の文化的な強みを訴求する
  • 機械翻訳ではなく正しい文法や単語を用いる
  • 文章やフレーズで検索キーワードを設定する
  • タイトルとメタディスクリプションは英語特有のルールを守る
  • 海外向けのテクニカルSEO対策を実施する

ここでは、英語でSEO対策を行うときに取り入れたい施策について解説します。

なお、日本語・英語問わずSEO対策の基本が気になる方はこちらの記事をご参照ください。

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国や地域に根付いた検索結果を調べる

はじめに、英語圏向けSEO対策では、正しい検索順位を知るために地域ごとの設定を踏まえてキーワード設定を行う必要があります。たとえ同じ単語でも、調べているユーザーの地域設定によって、表示されるコンテンツが異なるためです。

たとえば、同じ「SEO」で調べても、地域設定が日本とアメリカでは以下のように検索結果が異なります。

SEO対策で英語コンテンツを制作するとき、特に英語ユーザーの多いアメリカやイギリスなどでどのようなコンテンツが上位表示されるかチェックすることが大切です。

Googleの検索エンジンでは、検索結果の言語と地域」→「検索結果の言語フィルタ/English」→「検索結果の地域/対象地域」に設定することで、各地域の適切な検索順位を確認できます。

SEOを意識して言語別にURLを用意する

原則として、英語圏向けにSEO対策を行うときは、「サブディレクトリ」「サブドメイン」で英語向けコンテンツを作成するのがおすすめです。1つのサイトで英語に対応するとき、ナビゲーションでページ上の言語を切り替えるだけの仕組みは、SEOにおいて基本的に推奨されません

推奨されない理由に、同一URLでは1つの言語でしかGoogleが認識しない点が挙げられます。つまり、1つの同じURLで日本語・英語コンテンツを制作し、ナビゲーションで切り替える方式にしても、日本語・英語どちらかのコンテンツは検索エンジンに認識されないため、ユーザー流入も期待できません。

そのため、多くの企業ではSEOのため言語別にURLを用意しています。

明治ホールディングス(サブディレクトリ)
日本:https://www.meiji.com/
英語:https://www.meiji.com/global/

メルカリ(サブドメイン)
日本:https://jp.mercari.com/
英語:https://www.mercari.com/

トヨタ自動車(独立した別ドメイン)
日本:https://toyota.jp/
英語:https://www.toyota.com/

そのうえで、SEOに適したURLを設定する必要があります。具体的には、「コンテンツの内容に合わせたURL」「簡潔でわかりやすく」「英語やハイフンを用いる」などの手法がおすすめです。

IPアドレス等で自動的に遷移する設定はNG

多地域・多言語サイトにおいて、接続IPに応じて言語設定をシームレスに変更する設定はNGです。Googleでも、「IP アドレス分析に合わせてコンテンツを変更しないでください」と注意喚起されています。

たとえば、日本国内にいる外国人旅行者が、英語で日本のコンテンツについて調べた際、日本語コンテンツに自動遷移してしまうとユーザー体験が悪くなってしまいSEOにも悪影響を及ぼします。

自動遷移する仕組みを導入した場合は、言語変更のボタンへ容易にアクセスできるよう、ページ内に導線を設けることが大切です。

日本の文化的な強みを訴求する

英語圏のユーザーにとって、日本の文化や価値観は魅力的な要素です。英語圏向けSEO対策を行う場合は、日本の文化的な強みを効果的にアピールすることで、競合との差別化を図り、ユーザーの関心を惹きつけられます。

その際は、英語圏ユーザーの視点に立って解説することが大切です。日本の文化をただ紹介するのではなく、興味を持ちそうな切り口や、海外の文化と比較してどのような特徴があるのか、深く理解を促せる内容をアピールします。

また、視覚的なコンテンツを追加するのもポイントです。英語圏のSEO対策ではテキストだけではなく、美しい写真や動画、イラストなどの表現が特に好まれています。

機械翻訳ではなく正しい文法や単語を用いる

英語SEO対策では、ただ日本語を英語に置き換えるだけでなく、ネイティブスピーカーが自然に使う表現や単語を選ぶことが重要です。機械翻訳は便利なツールですが、文法的な誤りや不自然な表現が多く含まれる可能性があります。

同じ「単語」でも意味合いはターゲット国によって変わる

日本語で「パンツ/pants」は下着のことだが、イギリス英語では下着を表しても、アメリカ英語ではズボンを指す。また、日本語の「サイダー(※)/cider」はイギリス英語でりんご酒を表す一方で、アメリカ英語ではアルコールを含まないりんごジュースを指す(※正しい翻訳はsoda pop)。地域に根付いた言語の意味を理解したうえで、適切な言葉の使用が求められる。

また、読みにくいコンテンツはユーザーにとって理解しづらく、検索エンジンからの評価も低くなってしまう点に注意が必要です。キーワード選定も同じく、単純な翻訳ではなく、現地で実際に使われている言葉選びが求められます

可能であればネイティブスピーカーに校正を依頼し、自然な表現や文法、言い回しなどの確認が大切です。低品質な言語で構築されたWebページは、ユーザーが即離脱しやすく、検索エンジンの評価が下がる原因となります。

文章やフレーズで検索キーワードを設定する

英語でSEO対策をするときは、文章やフレーズによる検索キーワードを設定する必要があります。単語を組み合わせた「SEO 対策 やり方」などの単語で検索するのが主流な日本とは違って、英語では文章をベースにした検索方法が多くなっています

そのとき、ネイティブレベルでよく使われる言い回しやフレーズが多い傾向にあるのも事実です。英語圏で実際に使われる文章・フレーズを用いることで、検索上位を獲得しやすくなります。

必要に応じて、類語辞典ツール「Thesaurus.com」などを活用するのもポイントです。

タイトルとメタディスクリプションは英語特有のルールを守る

英語圏向けのSEO対策をするとき、タイトルとメタディスクリプションは英語特有のルールを守ることが大切です。具体的には、以下の2点に注意しましょう。

  • タイトルは60文字、メタディスクリプションは160文字以内
  • 「Headline(見出し英語)」を使う

タイトルやメタディスクリプションは、検索結果においてユーザーを惹きつける重要な要素のひとつです。しかし、一定以上の文字数は表示されないため、わかりやすく、簡潔に記載する必要があります。

メタディスクリプション
メタディスクリプション

また、見出し英語を活用するのもポイントです。たとえば、通常は「Stock prices have surged in the market today(今日の市場は株価が急騰した)」と書くところを、「Stocks Surge(株価急騰)」と簡潔に記載するような手法が挙げられます。

日本の新聞などでも見られますが、見出し英語では「冠詞・be動詞・助動詞」が省略されるケースもあるため注意が必要です

海外向けのテクニカルSEO対策を実施する

英語圏に注力したSEO対策をするときは、海外向けに特化したテクニカルSEOも大切です。テクニカルSEOとは、サイトの設計や被リンク、ディレクトリやサーバー周りなどホームページのクローラビリティ・ユーザビリティを向上させる施策です。

海外向けのテクニカルSEO対策では、以下のような手法が挙げられます。

  • 海外のサーバーを借りる:ページの表示速度を上げて、ユーザーの離脱を防ぐ
  • hreflangタグを設定する:「ページの言語」を伝えるタグで、ユーザーごとに適した言語が表示される
  • 言語ごとにディレクトリかドメインを分ける:それぞれを別のコンテンツとして検索エンジンに伝え、SEO的な効果を期待できる
  • 地域に最適化されたドメインを使用する:.comなどのgTLDや、ccTLD(.us .uk)などで、信頼性を高められる
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海外向けSEO対策のやり方や注意すべきポイントを解説 今回は海外向けSEO対策の基本から、アクセスを集め集客するためのポイント、注意したいことなどを詳しく解説します。

英語圏向けSEO対策でよく見られる失敗事例

株式会社マスドライバーでは、国内のSEO対策だけでなく、グローバル市場進出をご検討されている方へ向けてさまざまな海外展開戦略をご用意しております

今回は、実際に英語圏向けSEO対策に取り組んだうえで気付いた、いくつかの失敗事例と改善策を交えてご紹介します。

日本語を直訳しただけの不自然な英語

日本語として優れたコンテンツを提供しており、海外事業の規模を見ても競合がそこまで強くないため、コスト削減を目的としてAI翻訳を通して公開している企業サイトがありました。

国内ではすでに特定クエリで検索上位を獲得しており、日本特有のサービスで英語圏の競合も多くなかったものの、実際には鳴かず飛ばずで弊社にご相談いただく形に。

実際にチェックしてみると、「コンテンツの翻訳内容にいくつか不自然なフレーズや言い回しが含まれている」「ネイティブから見るとちぐはぐな印象を受けてしまう」といったコンテンツに仕上がっていたのが問題でした。

弊社にはニューヨーク出身のメンバーもおり、ネイティブレベルの分かりやすい言い回しにコンテンツを再編成。その後は、検索順位の改善に成功しています。

国内サーバーをそのまま活用している

サイトで提供されているSEO対策や英語コンテンツには問題がなかったものの、競合が少ないロングテールキーワードでも上位に輝けていない企業サイトがありました。

「サイト表示などにも問題はない」とご相談を受けていましたが、実際に海外からアクセスしてみると、全コンテンツが表示されるまで6秒ほど掛かる状態に。

つまり、国内サーバーをそのまま転用していたことで海外からのアクセススピードが低下し、即座にユーザーが離脱=検索エンジンから評価を下げられていた状況です。

SEO的にサイトの表示スピードは非常に重要なため、特に英語圏向けのコンテンツではアメリカやイギリスなど狙っているユーザー層の近くにサーバーを設置することが推奨されています。

今回は海外サーバーと契約した後、サブディレクトリと英語コンテンツの移行を行い、英語圏向けコンテンツの表示速度を大幅に改善。また、用いられている画像や動画コンテンツも軽量化して、Largest Contentful Paintの表示速度を0.9秒まで短縮することに成功しました。

その後は別のSEO施策も行い、狙っていたクエリで検索1位を獲得しています。

まとめ

英語圏向けのSEO対策は、言語や文化の違い、検索エンジンの特性など考慮すべき点が多く、難易度が高い傾向にあります。また、国内でどれだけ優れたコンテンツを提供していても、翻訳しただけの不自然なコンテンツやテクニカルSEO対策の不足があると、英語圏で検索上位を獲得するのは難しいでしょう。

英語圏へ向けて効果的なSEO対策を行うには、ネイティブレベルのライティングから質の高いコンテンツ作成、適切なキーワード選定など、多岐にわたるノウハウが必要です。

もし、多くの課題をクリアして海外市場での成功を目指している場合は、海外事業展開に長けたマスドライバーまでご相談ください。最新の検索アルゴリズム分析で戦略立案を最適化し、迅速かつ柔軟な対応が可能です。

また、実店舗展開などのサポートも行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

牧野 徹郎のアバター 牧野 徹郎 代表取締役

Web戦略立案・SEO・グロースを得意としています。
マーケティングはリスティング広告の運用からキャリアをはじめ、グロース、SEOと経験を積みました。

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