海外向けSEO対策のやり方や注意すべきポイントを解説

インターネットの発展で海外へ向けたコンテンツ発信も珍しくない昨今では、「海外を視野に入れたSEO対策」も注目を集めています。

海外向けSEO対策でアクセスを集めれば、「売上向上」「認知度アップ」などさまざまな効果を期待できます。そのため、海外向けに事業・サイトを展開するのであれば、海外向けSEO対策の知識は欠かせない要素です。

今回は海外向けSEO対策の基本から、アクセスを集め集客するためのポイント、注意したいことなどを詳しく解説します。

国内だけでなく海外での展開を考えている方、海外SEOについて詳しくは知らないという方は、ぜひ参考にしてください。

この記事は以下の方におすすめです▼
  • 国内SEO対策と同時に海外へもアプローチしたい方
  • 海外向けSEO対策を詳しくは知らない方
  • 今後海外展開を視野に入れている方
この記事では以下の情報が得られます▼
  • 海外向けのSEO対策のやり方
  • 海外向けSEO対策をするにあたっての注意点
  • 海外向け検索エンジンごとの対策法
この記事の目次

海外向けSEO対策とは?

海外向けSEO対策では、ターゲットとしている国・言語に最適化されたコンテンツ作りが求められます。国や言語の違いによって、SEOのやり方も異なるため、それぞれの特徴に合わせたSEO対策が大切です。

そのうえで、地域ごとに異なる検索エンジンへ適応する必要があります。SEOとは「検索エンジンの最適化」を表す単語ですが、国によって利用されている検索エンジンの種類・割合が異なるのも事実です。

検索エンジンの世界シェア別
  • 日本:Google(76.58%)|Yahoo!(14.2%)|bing(8.24%)~
  • アメリカ:Google(88.26%)|bing(6.71%)|Yahoo!(2.58%)~
  • ロシア:YANDEX(57.76%)|Google(40.05%)|bing(1.29%)~
  • 中国:Baidu(61.26%)|bing(15.03%)|Sogou(9.91%)~
  • 韓国:Google(62.36%)|Naver(32.27%)|bing(2.67%)~

出典元:StatCounter「Search Engine Market Share Oct 2022 – Oct 2023

日本ではGoogleやYahoo!のシェアがトップなものの、Yahoo!はGoogleの検索エンジンを利用しているため、国内SEO対策は実質Googleを対象にした施策だけで十分だと言えます。

一方で、「ロシアのYANDEX」「韓国のNaver」「中国のBaidu(百度)」など、海外では国ごとに検索エンジンのシェアが様変わりします。

国によって検索エンジンのシェアが変動するのに合わせて、海外向けのSEO対策もそれぞれの検索エンジンに最適化した手法を取り入れなければなりません。

つまり、海外でSEO対策を実施するには、「Google以外も見据えたSEOの取り組み」「海外に最適化されたコンテンツの配信」の2つに取り組む必要があります。

海外向けSEO対策に取り組むべきケース

海外向けSEO対策を取り入れるかどうかは、ビジネスの内容によって異なります。海外向けSEO対策に取り組むべきケースは以下のとおりです。

  • 海外展開で市場拡大(販路獲得)したい
  • インバウンド需要の恩恵を受けたい
  • グローバル人材を獲得したい
  • 他言語ユーザーのアクセスが度々ある
  • 海外宛の商品注文が度々ある

たとえば、和紙などの日本伝統工芸を利用したビジネスは、国内はもちろん海外ユーザーからも注目を集める事業のひとつです。

海外顧客を取り込むために、支店の所在地や現地への輸送時間、現地通貨での料金表示などサイトデザインを最適化(多言語対応)する必要があります。

一方で、事業が国内のローカル市場から拡大する予定がなければ、海外向けSEO対策に取り組むメリットは薄いかもしれません。海外ユーザーの目に留まったとしても、海外販売がなければ、誘導されたユーザーを満足させるのは難しいからです。

とはいえ、特にインバウンド需要が高まっている昨今では、海外向けSEO対策によって「和紙の製造体験」など国内体験を海外にアピールすることで、多くの新規海外ユーザーを獲得できる可能性があります。

海外ユーザーを見据えて事業を展開しているなら、海外向けSEO対策には大きな価値があるため、取り組むべきケースだと言えるでしょう。

海外向けSEOと国内向けSEOは何が違うのか

日本国内向けのSEO対策とは、主に日本語で検索するユーザーに対してWebサイトを最適化する取り組みです。一方で、海外向けのSEO対策では、日本以外の国から検索するユーザーを考えてWebサイトを最適化しなければいけません。

海外向けSEO対策と国内向けSEO対策の違いは以下のとおりです。

  • 使われる言語の違い
  • 国ごとの流行や文化の違い
  • 検索エンジンにおけるシェアの違い

ここでは、海外に向けたSEO対策が国内とどう異なるのか、違いを解説します。

使われる言語の違い

海外に向けてSEO対策をするとき、当然ながら各地域の言語に応じたコンテンツを制作する必要があります。

国内においても、機械翻訳による怪しい日本語や読みづらい文章を見かける方も少なくないでしょう。「国内コンテンツを翻訳するだけでよい」と考えてしまう方もいますが、実際には不自然な言い回しや誤訳、意図しない翻訳があり、客離れを招いてしまうかもしれません。

現地のユーザーに受け入れられるコンテンツを作るには、海外の言語に精通した担当者によって、ネイティブレベルで好まれるSEOライティングを実現する必要があります。

その国の文化圏に対する理解力やニーズの深堀りがなければ、魅力的なコンテンツを制作するのが難しいのも、海外向けに特化したSEO対策が求められる理由です。

同じ「単語」でも意味は国によって異なる

日本語で「パンツ/pants」は下着のことだが、イギリス英語では下着を表しても、アメリカ英語ではズボンを指す。また、日本語の「サイダー(※)/cider」はイギリス英語でりんご酒を表す一方で、アメリカ英語ではアルコールを含まないりんごジュースを指す(※正しい翻訳はsoda pop)。地域に根付いた言語の意味を理解したうえで、適切な言葉の使用が求められる。

国ごとの流行や文化の違い

海外へ向けたSEO対策を行うときは、国ごとの流行(トレンド)についても違いに着目する必要があります。日本で反応のいいコンテンツをそのまま輸入しても、海外ではいまいちパッとしない事例は珍しくありません。

反対に、国内ではあまり認知されていなかったにもかかわらず、海外進出を経て大きな注目を集めたサービスが多いのも事実です。

そのうえで、国ごとの文化の違いについても着目する必要があります。先述したとおり、国や言語によって同じ単語でも認識に違いがあるほか、「現地の文化的に受け入れられにくい概念」も少なくありません。

加えて、好まれる表現にも違いが存在します。たとえば、アメリカのWebサイトでは多くの写真が取り入れられており、視覚的な表現が好まれる傾向にあります。情報量を重視する日本に比べると、コンテンツを作るときの表現方法にも異なる手法を取り入れなければなりません。

海外向けのSEO対策では、現地の食文化や流行、宗教面など文化の違いにも配慮する必要があります。

ブランドを守るためにも文化の理解が大切

スナック菓子の「ポッキー(Pocky)」は欧州圏で「MIKADO」として売られている。名前が変更された理由は、商品名が「痘痕(あばた)だらけ」「性的な隠語」を連想させるため。ブランドマネジメントの面でも、海外マーケティングでは文化に根付くスラングへの理解が求められる。

検索エンジンにおけるシェアの違い

先述したとおり、日本国内と海外では検索エンジンのシェアに大きな違いが存在します。国内のGoogleで検索上位を獲得していても、そのまま内容を翻訳しただけでは、異なる検索エンジンで通用するSEO対策とは言えません。

GoogleやBaiduなど、検索エンジンごとに評価軸のアルゴリズムが異なるため、国ごとのシェアを見てそれぞれに対応したSEO対策を心掛ける必要があります

加えて、話者の多い言語でSEO対策をしようとすると、ライバルが飛躍的に増加するのも事実です。たとえば、英語を用いたSEO対策を実施しようとすると、国内SEO対策に比べて競合の数は飛躍的に増加します。

ほとんどの検索エンジンはほかのコンテンツとの相対評価により順位付けされるため、日本語話者よりも多い言語を狙うと、市場が広くなる分「競合の多さ」「競合の強さ」といったシェアの違いが起きる点も大きな違いです。

国内向けコンテンツを転用するだけでは検索上位を獲得することが難しく、海外向けSEO対策では海外ユーザーに特化したコンテンツを制作する必要があります。

海外向けSEO対策に取り組むメリット

海外向けSEO対策に取り組み、成果を上げれば、以下のメリットを得られます。

海外SEO対策のメリット
  • 検索流入が増える
  • ブランディングを加速できる
  • 海外という広大な市場をターゲットにできる

ここでは、海外向けSEO対策に取り組むメリットを解説します。

検索流入が増える

SEO対策を海外向けにも取り入れることで、検索流入数が伸びるのは大きなメリットです。国内コンテンツをある程度そのまま翻訳しただけでも、外国語での検索による流入が望めるのも事実です。

外国ユーザーが慣れ親しみやすいUIやデザイン、言語への最適化を行うことで、さらなる検索流入数の増加が見込めます。

管理しているサイト全体の流入数を上げられるだけでなく、ターゲットとなるユーザーを拡大できるのは、海外向けSEO対策に取り組む大きなメリットだと言えます。

まずは「日本語/English」などの多言語切り替えUIを導入するなど、本格的なSEO対策を始める前に、自社サイト内の簡単な最適化に取り組んでみるのもおすすめです。

ブランディングを加速できる

海外向けSEO対策に取り組めば、海外での露出が増え、結果としてブランディングを加速できるのもメリットです。

サイトに訪れるユーザー数が増えた結果、自社製品の認知が広がるため、自社ブランドの注目を集められます

また、これまでは獲得できなかった海外メディア・ユーザーからの被リンクを獲得しやすくなるのもポイントです。サイトの注目度が高まるほか、ドメインパワー(権威性)の向上によって、さまざまな検索エンジンで上位を獲得しやすくなる効果も期待できます。

海外という広大な市場をターゲットにできる

海外へ向けてSEO対策に取り組めば、海外という広大な市場をターゲットにできるのもメリットです。国内での拡大が頭打ちになっているときは、新しい市場開拓として海外へ目を向けるシーンも珍しくありません。

特に、国内は人口減少など市場規模が徐々に狭まっているため、グローバルで戦える商材がある場合は世界市場に目を向けるのがおすすめです。

また、海外に基づく新しい視点を取り入れ、新規サービス・商品の開発につなげられる魅力もあります。

海外向けSEO対策に取り組むデメリット

海外向けSEO対策は「とにかくやればいい」というものではありません。メリットもあればデメリットもあるため、事業に合った対策かどうかを見極めるのが大切です。

海外SEO対策のデメリット
  • 失敗する可能性がある
  • コストが掛かる
  • 事業内容によっては逆効果になる

ここでは海外向けSEO対策に取り組むデメリットを解説します。

失敗する可能性がある

海外SEO対策として、適当なコンテンツの翻訳で済ませてしまうと、反対に評価が下がってしまうリスクがあります。

「質の悪いコンテンツ」を無理に制作しても、検索上位を獲得するのは難しいのも事実です。海外向けのSEO対策を施しても思ったような成果を上げられず、失敗するケースも見られます。

低品質な多言語サイトは敬遠されてしまうため、ユーザーの即離脱などから、検索エンジンの評価が下がる原因になる可能性も否定できません。

海外SEO対策では、一定以上のクオリティを提供できるようコンテンツ制作に取り組む必要があります。

コストが掛かる

海外ユーザーを対象にしたSEO対策へ取り組むと、コンテンツ制作やサイトの最適化など、さまざまなコストが掛かるのもデメリットです。

新しい市場を開拓する以上、コストが掛かってしまうのは避けられません。

また、本格的に海外ユーザーを対象にしたビジネスをするときは、「海外サーバー」を用意するのが理想的だとされています。国内サーバーのまま海外からアクセスするとページの表示速度が遅くなってしまい、ユーザーの離脱率が高まるリスクがあるのも事実です。

そのような状況を改善すべく、「新しいコンテンツ制作」「サーバーの維持・契約費」「新規ドメインを取得する場合はその維持管理コスト」が求められます

SEO対策は、成功すればWebマーケティングにおいて費用対効果が優れているものの、ある程度の初期費用が掛かる点にご注意ください。

事業内容によっては逆効果になる

「海外向けのSEO対策で被リンクを獲得し、ドメインパワーを上げよう」と考える方もまれにいます。

しかし、海外向けSEO対策を講じたにもかかわらず、国内向けサービスしか用意できていないのも課題です。

検索上位を獲得しても、海外ユーザーがページを見たときに「自分がターゲットではない」と感じてしまえば、ユーザーの滞在時間減少や悪印象を招く原因につながります。

そのため、ユーザーを集客するのを目的にするのではなく、ユーザーニーズを満たせるかどうかに着目してコンテンツを制作する努力が大切です。

海外向けSEO対策で集客する流れ

海外向けの本格的なSEO対策は大変な手間が掛かるため、海外のSEO対策にも対応できる専門会社に依頼することがおすすめです。しかし、ある程度の施策を自社でも取り入れたいと考える方も少なくないでしょう。

海外向けSEO対策で集客する流れは以下のとおりです。

  • 海外の検索ニーズを調べる
  • すでに上位表示されている競合サイトをリサーチする
  • コンテンツを制作する
  • 成果に応じて修正を加えていく

基本的に国内SEO対策と同じですが、検索エンジンや海外の文化に合わせたリサーチが重要です。ここでは、海外向けSEO対策を考えている方へ向けて、一連の流れを解説します。

Google検索を主軸に、既存コンテンツの転用を考えている場合は多地域・多言語によるサイト管理も選択肢のひとつ
出典:Google検索セントラル「多地域多言語のサイトの管理

海外の検索ニーズを調べる

はじめに、海外の検索ニーズを調べます。基本的に、言語の違い以外で検索キーワードの調べ方は大差ありません。

ただし、国内では「SEO やり方」などの単語検索が多いものの、一部の国では文章検索が多くなっています。たとえばアメリカなどでは「how to do seo for website step-by-step」といった具合に、文章ベースで検索するユーザーも多くなっています。

その点を踏まえて、基準キーワードがどの程度の需要を見込めるのか判断することが大切です。

検索ボリュームは多ければ多いほどよいわけではなく、ボリュームの多いキーワードはその分競合も増えるため、戦略的にキーワードを決めなくてはなりません。海外の検索ボリューム調査は、異なる検索エンジンでも「Googleキーワードプランナー」が有用です。

すでに上位表示されている競合サイトをリサーチする

キーワードが決定したら、次にそのキーワードで上位表示されるコンテンツを調査します。まずはターゲットとなる国や地域で、実際に検索してみましょう。

検索結果の地域変更

Googleで現地の検索結果を表示させるには、検索の設定を開き表示言語と検索結果の地域、言語フィルタなどを設定します。このとき、上位に表示されたサイトは「検索エンジンから評価を得ている競合サイト」です。

多数のサイトが出てくるため、上位傾向を調べるために上位10記事の見出しと内容を確認します。また「関連する質問」という強調スニペットが表示される場合は、その内容も網羅したサイトにすると注目度が高まります。

コンテンツを制作する

コンテンツ制作のポイント
  • 現地語に親しんだネイティブに文章執筆を依頼する
  • 自動翻訳のコンテンツは「robots.txt」でクロールを避ける
  • 画像や動画の有無など、現地のトレンドに最適化された記事を制作する

コンテンツを制作する場合、現地のトレンド・現地の検索結果から得た競合サイトの内容を網羅する内容にします。国内向けコンテンツと制作の基本は同じですが、ターゲットになる現地のユーザーにとって役に立つかどうかは異なります。

可能であればコンテンツに含める文章作成は、現地語のネイティブなライターにお願いするのが理想です。翻訳ツールを使っただけだと不自然になりがちなため、依頼するライターには注意しておきましょう。

robots.txt を使用して、自動翻訳したサイトページが検索エンジンからクロールされないようにしてください。自動翻訳は意味が通じない場合があるため、スパムとみなされる可能性があります。さらに重要なこととして、読みにくく不自然な翻訳はサイトのイメージ低下につながるおそれがあります。

引用元:Google検索セントラル「多地域、多言語のサイトの管理

また、Webサイトそのものの構成も、国内と海外のものでは違いが大きいです。たとえば、アメリカのサイトを検索すると写真やデザインが優れているコンテンツが多いのに対し、日本では文字量や情報量が重視される傾向にあります。

現地のトレンドを踏まえて、最適化された記事を制作するよう心掛けることが海外向けSEO対策の基本です。

成果に応じて修正を加えていく

コンテンツを制作して、2~3か月経ったらキーワードでの順位を確認します。期待通りの成果が得られなければ要素が足りていないため、文章の追加や画像の追加など情報を増やすリライトが必要です。

また、思わぬキーワードで成果が出ている事例もあります。評価されたコンテンツに含まれる要素はできる限り変更せず、どの点が評価されているのかを分析しましょう。この結果をリライト内容に盛り込むことで、検索エンジンからの評価を上げられます。

修正は変更後、2~3か月おきに行うのが理想です。上位を取れたとしても検索エンジンのアルゴリズムが変わることもあるため、定期的な修正は欠かせません。

海外向けSEO対策で注意すべきポイント

海外向けSEO対策において、注意したいポイントがいくつかあります。正しく効果を得るために、注意したいポイントをチェックしておきましょう。

ターゲット国の文化や検索ニーズを踏まえる必要がある

当然ですが国ごとに検索されやすい言葉やサジェストは異なります。ターゲットとなる国の文化やトレンドを把握し、検索ニーズを満たしたコンテンツを作成しましょう。

基本的には検索する言語の使い方は、日本語と大きく違いはありません。

しかし、外国語のキーワードは日本語話者にとってなじみのないものもあるため、海外のユーザーや競合他社がどんなキーワードを使い、検索ニーズを満たしているのかは徹底的に調査する必要があります。

国内向けページとはURLやサーバーを区別した方がよい

他言語でサイトを運営する場合、言語ごとに独自のURLを設定するのが望ましいです。同じURL内に他言語が共存していると、目的の言語を使うコンテンツが見つけづらく、読者の離脱につながります。

URLの設定は以下の3通りが考えられます。

  • ドメインの変更(~~~.jpのjp部分を変える)
  • サブドメインの変更(~~.com/jp/のjp部分を変える)
  • サブディレクトリの変更(ja.~~.comのjp部分を変える)

同地域複数言語に対応する場合は、「サブドメイン」「サブディレクトリ」を変更する手法が主流です。その際は、「.htaccess」「PHP」「JavaScript」などで、ユーザーを識別して自動的に主要言語へ切り替える手法も取り入れる必要があります。

たとえば、PHPを活用すればブラウザの言語設定をチェックして、上位の言語設定へURLを自動的に最適化する仕組みを取り入れられます。

サーバー業者やセキュリティクリアランスが厳しい場合は、.htaccessでIPアドレス制御をするなど、自動的に言語を切り替える仕組みの導入が大切です。

なお、特定国に根付いたサイトを運営する場合は、活用するサーバーも現地に近い業者を利用するのがおすすめです。サーバーとの距離が物理的に近くなるため、読み込み速度が向上し、ユーザビリティも改善されます。

言い換えると、国内サーバーで運用していると距離が物理的に遠いため、読み込み速度の低下からユーザーの離脱を招くおそれがあります。

各国の規制に注意する必要がある

各国では文化の違いによって、国内では規制のないサービスも国によっては禁止されていることがあります。

輸出が禁止されている商品を販売したり、商品説明が不足した商品は販売できなかったり、個人情報に関する規制など国によってルールはさまざまです。

各国の規制内容は、海外向けSEO対策に取り組むうえで非常に大切なため、あらかじめチェックしておくのをおすすめします。

Google以外の検索エンジンにおけるSEO対策のポイント

主流となる検索エンジンはGoogleですが、ロシアや中国ではGoogle以外の検索エンジンも高いシェア数を持ちます。

ここではGoogle以外の検索エンジンにおけるSEO対策を、ポイントにまとめました。ターゲット国が含まれる場合、参考にしてください。

中国「百度(バイドゥ)」

Baidu(百度、バイドゥ)とは、中国固有の検索エンジンであり圧倒的なシェアを持っています。中国ではSogouという検索エンジンも利用されていますが、モバイルでの使用率が高いバイドゥが主流だと認識しておきましょう。

バイドゥでのSEO対策は、「内部リンクや外部リンクを設置する」「H1タグやalt属性を最適化する」「メタディスクリプションやメタキーワードなど対策キーワード設定を最適化する」といった通常SEO対策と同じです。

ただし、バイドゥでは以下の独自作業も求められます

  • ICP(中国工信部)の登録が必要
  • サイトマップをバイドゥに通知する
  • サーチコンソールを使用せず、バイドゥのサイトに直接申請する

Google SEOとは異なる点もあるため、注意しておきましょう。

ロシア「YANDEX」

YandexとはロシアでGoogle以上にシェアを獲得する検索エンジンです。2011年にはオンライン広告市場が紙媒体の市場を追い抜いたロシアでは、Web施策がビジネスで重要な要素と考えられています。

YandexはGoogleでのSEO対策を応用できます。ただし、Googleウェブマスターと違いYandex独自のウェブマスターが存在するため、登録しておきましょう。登録すると、検索パフォーマンスをグラフ・数値などのデータで把握でき、コンテンツ制作やリライトの指標として活かせます。

韓国「NAVER」

韓国でのシェア数が多いNAVERは、Googleとは異なる仕組みを持っています。

  • ポータル型検索エンジンである
  • 広告・知識・コミュニティ・ショッピング・ブログそれぞれのカテゴリで評価が分かれる
  • ユーザーは目的によって評価するカテゴリが分かれる

国内でGoogle検索したときは、上位に表示されるリスティング広告を重要視しない傾向にありますが、NAVERでは上位20件に必ず広告が表示されます。そのため、すぐに目に飛び込むリスティング広告を集客手段とするのが主流です。

また、ブログカテゴリは最後に表示されるコンテンツですがユーザーからは最も利用されています。国内ではあまりなじみがないかもしれませんが、「知りたいことがあればブログを見る」のが韓国ユーザーの流れであるため、NAVERブログを充実させるのもSEO対策の基本です。

まとめ

海外向けSEO対策はビジネス拡大には欠かせない要素であるのに対し、メリットもあればデメリットもあるなどマーケティング力が必要です。ただ施策すればよいものではなく、自社のサービスがどのような特徴を持つか、海外向けSEO対策によって成功できるブランディングなのかという見極めも大切になるでしょう。

MASSDRIVERでは、特徴の異なる海外の検索エンジンでも評価されるコンテンツ制作をお手伝いします。ユーザーのアクセス数増加だけでなく、その先の事業成功を見据えたご提案を得意とするため、気になる方はぜひお問い合わせからご相談ください。

この記事を書いた人

牧野 徹郎のアバター 牧野 徹郎 代表取締役

Web戦略立案・SEO・グロースを得意としています。
マーケティングはリスティング広告の運用からキャリアをはじめ、グロース、SEOと経験を積みました。

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