会社名 | オフィスコム株式会社 |
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施策対象商品 | オウンドメディア「オフィスのギモン」 YouTube「仕事のギモン解決チャンネル」 |
提供サービス | SEO記事制作、YouTube企画/制作/運営 |
目的 | メディアの認知拡大と価値創造 |
効果 | ビッグキーワードでの高順位獲得、記事経由での売上が約2倍に |
本当に読者のためになる記事を発信したい
――施策の対象について教えてください。
駒野裕昭さん(以下、駒野さん):
ひとつは「オフィスのギモン」というオウンドメディアで、ユーザーがオフィスや仕事に関わることでの疑問を解決できるような内容を目指しています。
弊社はオフィス家具ECサイトを運営しており、ECサイトなので購買目的でユーザーが訪れますが、より多くのタッチできるチャネルを作りたいと考えオフィスのギモンが生まれました。このオウンドメディアでは、ユーザーにとってオフィスに関する疑問を解決できるような役立つ情報を発信したいと思っています。
もうひとつは「仕事のギモン解決チャンネル」というYouTubeチャンネルで、メディアとはまた違う情報を発信していて、こちらは企画から動画制作までお願いしています。
マスドライバー株式会社 代表 牧野(以下、牧野):
2022年の6月からYouTubeの施策をスタートさせていただき、その数ヶ月後にはメディアの方で新規記事を配信しました。
――抱えていた課題は?
駒野さん:
「オフィスのギモン」は、それまでSEO記事を安く制作する会社にお願いしていました。先方はコスパよく制作したいこともあり、記事の内容に関しては一任してほしいということで、事業者としての知見を記事に盛り込みきれませんでした。
そんな中である関係者から牧野さんのことを紹介していただき、話してみると知識も実績も豊富であると感じました。牧野さんにお願いすれば課題解決と同時に、数字の面でも目標を達成でき、ユーザーにとってメリットになるメディアに育てていけるのではないかと思いました。
牧野:
駒野さんはSEOに関する知識が非常に豊富なので、ある意味緊張感を持って仕事ができていると思います(笑)
「事業者の知見」を記事に盛り込みたい
――お客様のメリットというのは具体的にどういうことでしょうか。
駒野さん:
たとえば、おすすめ商品の記事を作るとき、ユーザーニーズ的には「オフィスチェア おすすめ」などのキーワードを入れて、有名な椅子をたくさん紹介する記事がよいとされていますが、事業者としてユーザーにとって本当に役に立つ、リーズナブルで買いやすい椅子を紹介する記事を発信できるようなメディアに育てたいと思いました。
牧野:
最初にそんな希望を駒野さんから聞いたとき、正直ハードルが高いとは感じました。なぜなら有名な椅子のブランドや名前で記事を検索上位に上げていくことはできますが、記事を見るだけではなく商品販売ページまで見てもらわないと購入に繋がらないためです。そのためには記事から商品ページに遷移していただくこと、また商品ページも同時に検索上位に上げる必要性がありました。
駒野さん:
その難しさは理解していました。でもユーザーの役に立ち、売り上げにも寄与するメディアが理想的な状態だと思いました。
牧野:
そのためにメディアの閲覧数だけを上げるのではなく、メディアを使ってECサイトの売り上げを押し上げるという方向性で進めることにしました。
施策に着手した当時、記事はすでに200〜300本くらいありましたが、全体の網羅性や専門性を上げていくために記事のリライトをしました。
また「腰が痛くなりづらい椅子の選び方」のようなユーザーのニーズが顕在化した記事には、独自の知見を盛り込み真にユーザーのためになる記事作成を徹底しました。マクロでもミクロでも施策を繰り返し、パズルのピースをひとつずつはめていくようなイメージで事業ドメイン全体がプラスになる方向で施策を進めました。
ユーザーファーストのメディアを目指して
――目に見える成果として、どのようなものがありますか。
駒野さん:
リライト記事や専門性の高い新規記事のおかげで、多くの「メーカー名 商品名」というキーワードで1ページ目に表示されるようになりました。またそれらの記事がドメイン全体的に良い影響を及ぼし、販売ページの順位向上にも貢献できたと考えます。
牧野:
施策の具体的な内容は網羅性や独自性を高めることや、記事同士のリンクの設置など多岐にわたりますが、一番大事なことはオフィスコムさんだからこその強みを出していくことです。
――オフィスコムさんだからこそのよさとは。
牧野:
ユーザーにとって本当に役に立つ「プロの目から見たレビュー」ができるのが強みのひとつだと思っていて、今でもそれは記事に入れるようにしています。ひとつの商品に対して、メリットだけでなくデメリットもきちんと伝える率直な記事を発信するようにしています。
駒野さん:
メリットとデメリットの両方を正しく知ってもらうことが、ユーザーのメリットになると思っています。
SEO順位が1〜3位と常に上位に
――施策の効果について教えてください。
駒野さん:
メーカー名のキーワード対策以外にも、主要なカテゴリのキーワード対策をしました。具体的には「オフィスチェア」というキーワードで1〜3位と大きく順位が伸びました。
それまでも微増はありましたが、本格的に順位が上がるまでは半年くらいです。過去16ヶ月を見てみると2023年11月から上がって2〜3位になり、2024年1月で高い時は1.9位にまで上がっています。
記事を見た方が購入してくれた売り上げが前年比の約1.3倍に上がったこともあり、効果を実感しました。
――施策の障壁はありましたか。
駒野さん:
SEOは狙い通りに行かないことも多く、2021年にGoogleのアップデートがあり、振り回されました。
あとは、時間との戦いみたいなのも大変でした。記事を書くにあたってどれくらいの工数をかけるか、質と速度の担保は牧野さんに相談させてもらいながら進めています。
――牧野さんとのお仕事で、特に満足している点について教えてください。
駒野さん:
ロジックとして筋が通っていることが多いので、納得感もありますし、とても助かっています。事業者側は自分のドメインしか運営できませんが、牧野さんはさまざまなサイトでの経験もあり、さまざまな業種のサイトなどで実績を積みあげているので、新鮮な意見ももらえます。
牧野:
駒野さんはSEOについて本当に知識が豊富なので、高度なこともご存知ですよね。でも、そのおかげで緊張感を持って切磋琢磨できていると感じています。
駒野さん:
会社のお金で運営しているので成果は出さないといけないと思い、さまざまな場面で学ばせてもらっています。
月に一度、施策について幹部に報告しているのですが、成果が弱いとそれがなぜなのか、ヒアリングして意識を合わさせてもらっています。
知見の高さを生かした企画を期待
――今後の展開について教えてください。
牧野:
「オフィスのギモン」と連動させたYouTube施策を実現したいです。マルチチャネルでやっているからこそ、動画と記事をうまく活用できればと思っています。たとえば、動画でしっかり説明した商品を購買につなげるなど、ゴールである購買という行為に対する全体設計ができたらいいなと考えています。
駒野さん:
ユーザーの悩みや課題を解決することができる、本当の意味でユーザーの役に立つサイトに育てたい。そのために事業者の視点・知見を入れていきたいという気持ちは変わっていません。売り上げはその結果としてついてくると思っています。
牧野:
オフィスコムさんの事業は幅広く、他にもサービスサイトをお持ちなので一筋縄ではいかないかもしれませんが、いい意味で最適化を試みたいです。サイトが違ってもそれぞれの存在感や送客があるので、事業デザインをうまく絡め合いながら進められたらいいなと思います。
駒野さん:
管轄が別ということもありなかなか実現は難しいですが、うまくいけば自社サイトでワンツーフィニッシュできる可能性を秘めていると思います。
――今後、マスドライバーに期待することは。
駒野さん:
企画力です。SEOやコンテンツに対する知見が高いので、もっと企画や提案をもらえたらうれしいです。戦略や方向性など、事業者としての知見を入れて新しいことにも挑戦できればと思います。
牧野:
ありがとうございます。社内でよく話し合ってみます!