【市場規模別】アメリカの代表的なECサイトランキング|越境販売のトレンドを解説

2026.01.29

今もなお成長を続けるアメリカのEC市場の規模は1兆ドルを超え、海外展開を目指す日本の事業者にとって、大きなビジネスチャンスが眠っています。

しかし、AmazonやWalmartといった巨大プレイヤーがひしめく一方で、「どのECサイトが自社に適しているのか?」「どうすれば競争を勝ち抜けるのか?」と、具体的な戦略に悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アメリカEC市場の規模や、ECサイトの上位シェアをランキング形式でご紹介します。また、アメリカ向けECへの出店を考えている方へ向けて、AI活用やライブコマースといった越境販売を左右する最新トレンドも解説しますので、あわせてご参照ください。

この記事を読んで分かること
  • アメリカ市場の規模感
  • アメリカECサイトのトレンドや注目を集める手法
  • アメリカ向け越境ECを始める前に知りたい注意点
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この記事の目次

【世界シェア】アメリカのEC市場規模は世界2位

【世界シェア】アメリカのEC市場規模は世界2位

出典元:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書(令和7年8月)

世界のEC市場において、アメリカは中国に次ぐ世界第2位の巨大マーケットです。国別シェアを見ると、中国(50.4%)と全体の半数を占める一方、アメリカ(19.6%)と単独で約2割のシェアを確保しています。

3位の英国(3.6%)や4位の日本(2.8%)を大きく引き離す規模であり、中国とアメリカの2カ国だけでEC市場全体の約7割を占める状態です。

実際の金額ベースでもアメリカのEC市場規模は圧倒的で、2024年の市場規模は前年比約6.7%増の1兆1,902億米ドルに達しました。

商材EC市場規模
(億米ドル)
前年比成長率商材のEC化率
衣類・雑貨2,15710.6%15.2%
家具・建材・電子機器1,1715.8%14.2%
車・車用品7995.8%3.7%
その他7995.7%3.2%
無店舗型販売7,1938.1%67.7%
合計11,9268.1%16.1%

アメリカ市場のEC化率は堅調に成長

出典元:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書(令和7年8月)

世界的に見てもEC市場が成長にあるなか、アメリカのEC化率も進みつつあります。EC市場を見ると、2022年代は14%台だったEC市場規模も、2024年には16.4%まで成長しており、2028年には20%を超えると予想されています。

出典元:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書(令和7年8月)

さらに、世界のEC化率を見るとECサイトのTOPシェアを持つ中国は50.1%ほど。対して、アメリカのEC化率は市場全体の16.1%と、アメリカはEC市場の成長余地がまだ多く残っているのも魅力です。

アメリカでもECサイトを通じた「オンラインで買い物をする」という文化が力強く成長しており、越境ECを始めとした市場開拓に魅力的な選択肢だと言えるでしょう。

世界の越境EC市場は急速に成長が見込まれる

出典元:Expert Market Research「Cross-Border B2C E-Commerce Market Growth Analysis Report(2025-2034)

アメリカを始めとして、世界の越境EC市場は急速な拡大を続けており、2024年にはBtoCの市場規模が約1.01兆米ドルに達しました。世界の越境EC市場は今後も成長を加速すると見込まれ、2025年から2034年にかけたECの年平均成長率の予測は「23.10%」と驚異的な水準です。

AI等を活用したさまざまな言語への翻訳や不正検知、在庫管理に加えて、物流を取り扱うレベルの向上により、2034年には越境EC市場が「約8.07兆米ドル」に達すると予測されています。

日本・アメリカの越境EC市場規模(BtoC)

出典元:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書(令和7年8月)

アメリカ市場が持つ「圧倒的な市場規模」に加えて「日本製品への需要」があり、日本企業にとってのアメリカ向け越境ECに力強い需要があるのは間違いありません。

日本がアメリカ越境EC市場から購入した額は「3,945億円」ほどですが、アメリカが日本越境EC市場から購入した額は「2兆7,144億円」と約7倍の購入額です。アメリカ向けに越境ECサイトを利用すれば、新たな市場獲得に繋げられると言えます。

また、中国での購入額が伸びているのもポイントです。アメリカ向けECサイトだけでなく、世界を対象にした「越境EC」を意識すれば、多くの市場を開拓できる可能性があります。

「800ドル以下は関税免除となる非課税基準額(デミニミス)ルール」の改定で、TemuやSHEINを中心とした少額の簡易輸入に規制が入り、来年度以降のアメリカを始めとした越境ECに大きな影響があると見込まれる

アメリカのECサイト市場における上位シェアランキング

順位企業名EC市場シェア
1Amazon40.86%
2Walmart Inc.8.39%
3Apple3.29%
4eBay2.98%
5The Home Depot1.88%
6Target1.67%
7Costco1.47%
8The Kroger Co.1.46%
9Best Buy1.08%
10Carvana1.04%

出典元:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書(令和7年8月):EMARKETER Forecast, October 2024

2024年のアメリカEC市場は、特定の巨大企業が市場を牽引する構図がより鮮明になっています。特にAmazonは、市場全体の40.86%ものシェアを占める圧倒的な存在です。Walmartが8.39%で2位につけていますが、ほかの大手企業はいずれも一桁台前半のシェアに留まっています。

アメリカ向けECサイトを見ると、ランキング上位のうち、半数近くのシェアをAmazonが独占していると言えるでしょう。

ここでは、アメリカのECサイトでランキング上位に輝いた各ECプラットフォームの特徴を解説します。

1. Amazon

Amazonは、地球上でもっとも豊富な品揃えを誇る総合オンラインストアです。アメリカにおけるEC市場シェアは40.86%と圧倒的な首位に立ち、アメリカ市場のTOP ECサイトとしての地位を確立しました。

その強みは、あらゆるカテゴリの商品を網羅する膨大なセレクションにあります。また「プライム会員」向けの迅速な無料配送・動画・音楽配信といったサービスも魅力です。

サードパーティ事業者が出品する「マーケットプレイス」がAmazon全体シェアの約3分の2を占めており、多様な品揃えと価格競争力が生み出されているのも、多くの消費者が惹きつけられる要因です。

さらに、日本貿易振興機構(JETRO)と提携した越境EC促進プログラムもポイントです。「JAPAN STOREプログラム」をサポートしており、日本企業がアメリカを始めとする海外市場に進出しやすい魅力があります。

2. Walmart Inc.

Walmartは、全米に広がる店舗網を活かしたオンラインとオフラインの融合、いわゆるオムニチャネルを強みとする世界最大のスーパーマーケットチェーンです。アメリカにおけるEC市場シェアは8.39%で、第2位の地位を築いています。

WalmartのEC戦略の核は、4,600を超えるアメリカ内の実店舗を配送拠点として活用している点にあります。食料品や日用品を中心としたオンライン注文・店舗受け取りサービスや、即日配送を低コストで実現しました。

特に、お菓子や飲料といった加工食品や生鮮食品の分野では、Amazonを凌ぐ強みを見せています。近年は家電・ファッションなども扱う総合プラットフォーマーを目指しています。

ただし、Walmartへ出店するには、アメリカ法人の設立や許認可など越境ECのハードルが高くなっています。

3. Apple

Appleは、高品質な自社製品をブランドの世界観と共に提供する、メーカー直販型(D2C)のECサイトです。アメリカにおけるEC市場シェアは3.29%を記録しています。ただし、Appleは、iPhone・Mac・iPadといったハードウェアから関連アクセサリまで、自社製品のみを販売しているのが特徴です。

洗練されたブランドイメージを自社ECサイト上でも忠実に再現しており、製品の詳細情報やカスタマイズの選択肢を美しく見せるマーケティング手法に長けています。実店舗とのシームレスな体験も高い顧客ロイヤリティを確立しました。

一方で、サードパーティに提供される越境EC枠は少なく、Appleから認められたApple製品向けのアクセサリにとどまります。

4. eBay

eBayは、希少品・中古品・コレクターズアイテムが見つかる世界最大級の個人間取引(CtoC)マーケットプレイスです。アメリカにおけるEC市場シェアは2.98%ですが、2025年にはebay.comが訪問者数の多いECサイトプラットフォームとして上位に輝いています。

創業当初からのオークション形式に加え、固定価格での販売も行われているのが特徴です。

日本で例えると「メルカリ」のような仕組みで、Amazonなどが新品を主力とするのに対し、eBayはヴィンテージ品や中古パーツなどほかでは見つけにくいニッチな商品が豊富に揃う点を強みとします。

近年では、スニーカーや高級腕時計の鑑定サービスを導入し、高額商品の取引における信頼性を向上させました。リセールの拡大を牽引するプラットフォームとしての地位を固めているのも特徴です。

また、アメリカ向けの越境ECとして、日本製品のブランド品を販売する個人業者も見かけられます。

5. The Home Depot

The Home Depotは、DIYからプロの建築業者までをカバーするアメリカ最大の住宅リフォーム・建材小売チェーンです。アメリカにおけるEC市場シェアは1.88%を占めます。

オンラインストアでは、実店舗の巨大な倉庫と遜色ない、数十万点に及ぶ建築資材・工具・塗料などを取り扱います。ECサイトの強みは、専門的な商品をオンラインで簡単に検索・比較できる利便性に加え、商品の使い方を解説する豊富な動画コンテンツやDIYプロジェクトのアイデアを提供する点です。

オンラインで購入し店舗で受け取れるサービスは、多くのDIY愛好家やプロの業者から強く支持されています。

6. Target

Targetは、「期待以上の発見」がある若者やファミリー層に人気のライフスタイル特化型ストアです。アメリカにおけるEC市場シェアは1.67%を記録しました。食料品や日用品に加え、デザイン性の高いオリジナルのアパレル・インテリア雑貨・玩具を強みとします。

ECサイトでは、インフルエンサーとの協業や季節の特集ページを通じて、楽しい買い物体験を演出。同社が運営する即日配送サービス「Shipt」や、駐車場で商品を受け取れる「ドライブアップ」は利便性が高く評価され、多くのファンを獲得しています。

7. Costco

Costcoは、高品質な商品を大容量かつ低価格で提供する会員制の倉庫型ホールセールクラブです。アメリカにおけるEC市場シェアは1.47%あります。オンラインストアでも、年会費を支払う会員限定で、実店舗と同様の宝探しのような買い物体験を提供します。

家電・家具・食品から宝飾品まで、厳選された高品質な商品を驚きの価格で販売する点が特徴です。特に、オンライン限定の大物商品や、実店舗では扱いきれないニッチな商品の販売に力を入れています。多くの商品が送料無料であり、重い商品を自宅まで届ける利便性が、会員の満足度をさらに高めています。

8. The Kroger Co.

Krogerは、生鮮食品の鮮度と品質を強みとするアメリカ最大のスーパーマーケットチェーンです。アメリカにおけるEC市場シェアは1.46%を占めます。同社のEC戦略は、Walmartと同様に実店舗網を活かしたグロサリーのオンライン販売に特化しています。

顧客はオンラインで注文した商品を店舗で受け取るか、自宅への配送を選択可能です。Krogerの最大の強みは、長年の経営で培った生鮮食品の品質管理能力と、AIを活用した需要予測による在庫の最適化です。自動化された注文処理によって、効率化と品質向上を追求しています。

9. Best Buy

Best Buyは、専門知識豊富なスタッフのサポートを受けられる家電量販店です。アメリカにおけるEC市場シェアは1.08%を記録しました。テレビ・PC・スマートフォンといった最新のデジタル製品から生活家電まで幅広く取り扱います。

ECサイトの最大の特徴は、製品選びに役立つ詳細なレビューや比較ツールが充実している点です。

さらに、オンラインで購入した商品を店舗で受け取れるサービスや、「ギーク・スクワッド」と呼ばれる専門スタッフによる出張設置・サポートサービスをオンラインで予約できるなど、購入前から購入後までを一貫して支援する体制に強みを持ちます。

10. Carvana

Carvanaは、中古車の購入プロセスを完全にオンラインで完結させる革新的な自動車ECサイトです。アメリカにおけるEC市場シェアは1.04%あります。従来、対面での交渉や多数の書類手続きが当たり前だった中古車購入を、ウェブサイト上での車両検索・見積もり・ローン審査・購入契約まで全て非対面で行えるようにしました。

購入した車は自宅へ配送されるか、「カーベンディングマシン」と呼ばれる巨大な施設でユニークな受け取り体験が可能です。360度ビューで内外装を詳細に確認できる仕組みや、7日間の返品保証が顧客の不安を払拭し、若者を中心に急速に支持を広げました。

自社ECサイト構築|アメリカで人気のプラットフォーム3選

越境ECでは、アメリカ市場でシェアを収めるECサイトだけでなく、ブランディング等の観点から自社ECサイトを構築する選択肢もあります。ただし、自社ECサイトの運営効率は、選ぶプラットフォームによって大きく変動するのも事実です。

日本と比べて競争が激しく、多様な業種・顧客層をターゲットにする必要があるため、拡張性やマーケティング機能に優れたサービスが好まれます。

特にアメリカでは中小企業から大規模D2Cブランドまで、使いやすさや成長支援ツールを重視する傾向が強く、日本に比べて英語圏のマーケティング・決済手段との連携も充実しています。

ここでは、利用者数・機能面で特に評価の高い「Shopify」「BigCommerce」「WooCommerce」の3つを紹介します。

Shopify|初心者からD2Cブランドまで幅広く対応

Shopify
https://www.shopify.com/jp

Shopifyはアメリカでもっとも広く利用されているECプラットフォームのひとつで、スタートアップからグローバルに展開するD2Cブランドまで幅広く導入されています。直感的な管理画面と豊富なテーマ・アプリマーケットにより、初めてECを立ち上げる事業者でも短期間でストアを公開できるのが大きな魅力です。

また、自社決済の「Shopify Payments」をはじめ多様な決済手段を備え、英語圏だけでなく多言語・多通貨販売にも標準対応しています。アメリカ向けの越境ECを目指す日本企業にとって、魅力的なプラットフォームです。

加えて、外部アプリを通じてAIチャットボットやマーケティング自動化など機能を拡張できることで、運用フェーズでの成長にも柔軟に対応可能です。一方で、本格的なグローバル販売には決済通貨や配送ネットワークの追加設定が必要になり、導入後は継続的な最適化が求められます。

スピード感ある立ち上げとブランディング強化に強いため、アメリカ市場でECサイトの展開を目指す日本企業からは人気を集める選択肢のひとつです。

BigCommerce|SEOに強く大規模ストアやB2B向け

BigCommerce
https://www.bigcommerce.com/

BigCommerceは、大規模ストアやB2B事業者を念頭に設計されたプラットフォームで、特にSEOやパフォーマンス面で高く評価されています。

標準搭載の機能が豊富で、「商品数無制限の管理」「ページ速度最適化」「カート放棄対策」「カスタマイズ性の高いSEO設定」などが含まれており、追加アプリへの依存度が比較的低いのが特徴です。

さらに、B2B向けの価格設定や複数拠点の在庫管理といった高度な要件にも対応しているため、企業間取引の多い事業者にとって大きなメリットとなります。特にアメリカではGoogle検索流入の比率が依然として高く、自然検索の流入を確保しやすいのも魅力です。

一方で、アメリカではソーシャルコマース経由の流入も近年急増しており、SNS施策やCRM連携の部分では追加アプリや外部統合が必要になる場合もあります。また、直感的な操作性ではShopifyにやや劣るほか、日本国内ではサービス展開をしていないため、外国語による学習コストがかかる点も課題です。

WooCommerce|WordPressと連携できるカスタマイズ性の高い選択肢

WooCommerce
https://woocommerce.com/

WooCommerceは「WordPressのプラグイン」として動作するECサイト機能で、柔軟なカスタマイズ性が魅力です。既存のWordPressサイトにEC機能を追加できるため、コンテンツを軸に集客している企業やクリエイターに特に選ばれています。

テンプレートやプラグインを活用することでデザイン自由度が高く、ブランディングを重視する店やニッチ向けECに向いているのも魅力です。日本の事業者にとっては、ブログやコンテンツSEOとオンライン販売を自然に結び付けられる点が大きな強みです。

ただし、WooCommerce単体では決済機能やセキュリティが限定的なため、外部プラグインや決済ゲートウェイの導入・管理が必須となります。さらに、アメリカ市場ではPCI DSS準拠などセキュリティ面の対応が求められるため、一定以上のリソースと専門知識が必要です。

自由度とコスト効率を重視する日本の中小企業や、ブランドにとっては十分魅力的な選択肢ですが、「自社ホームページ(WordPress)」とセットで活躍するため、WooCommerceの活用にはアメリカ向けの自社ブランディングやSEO対策などが求められます。

アメリカ越境EC市場で成功するための設計トレンド10選

アメリカのEC市場は巨大ですが、その分競争も熾烈です。日本の事業者が越境ECで成功を収めるには、現地の消費者文化や価値観に合わせたサイト設計と、マーケティング戦略が欠かせません。

ここでは、アメリカのEC市場を攻略するうえで押さえておきたい設計トレンドを紹介します。

モバイルファーストUI/UX

アメリカにおけるECサイトへのトラフィックのうち、約7割はスマートフォン経由との調査もあります。そのため、アメリカ市場を狙うなら「モバイルオンリー」に近い最適化が重要です。

もし、アメリカ市場向けに越境ECサイトを自社で構築する場合は、「指一本ですべての操作が直感的に完結するか」「商品の検索から決済までのステップが極限まで簡略化されているか」など、徹底したモバイル最適化を心がけましょう。

読み込み速度の高速化はもちろん、ストレスのないUI/UX(ユーザー体験)こそが、カート放棄を防ぎ、売上を最大化するためのもっとも基本的な設計思想となります。

ソーシャルコマースとライブ配信

アメリカ消費者のうち、特に若年層は「Instagram」や「TikTok」を活用した商品購買が増加傾向にあります。情報を得るだけの場から「商品を発見し、購入まで完結させる場所」へと進化しているのが特徴です。

サイト設計では、SNSからの流入をスムーズに購入へ繋げるだけでなく、SNS上で直接決済できる仕組み(TikTok Shopなど)の導入も視野に入れるべきと言えます。

また、生配信等から商品購買に繋げられるライブコマースは、リアルタイムで視聴者と対話しながら商品の魅力を伝えられるため、コンバージョン率が非常に高い手法として知られています。

インフルエンサーとの連携を前提とした商品LP(ランディングページ)や、ライブ配信へ誘導するサイト内導線の設計も、アメリカ向け越境ECでは大切です。

D2Cとニッチ戦略によるファン形成

アメリカ市場では、単に商品を販売するだけでなく、ブランドの世界観やストーリーに共感するファンを育てる取り組みも大切です。

自社の商品を自社ECサイトやSNSなどで直接消費者に販売するD2C(Direct-to-Consumer)は、特定の趣味や価値観を持つニッチな層へ直接アプローチし、ロイヤリティの高いコミュニティ形成に役立ちます。

自社商材等に独自のこだわりや品質の追求があれば、それをある種の「物語」として仕上げて訴求することで、アメリカの消費者を強く引き付ける魅力になるケースも。越境ECサイトを構築するときは、共感に基づいた関係性を築けるサイト設計も重要です。

AIを活用したパーソナライゼーション

近年ではECサイト内でAIを活用したパーソナライゼーションが主流です。Shopifyなどのプラットフォームでは、中小規模の事業者でも手軽に導入できるAIツールが豊富に存在します。

顧客の閲覧履歴や購買データに基づき、一人ひとりに最適化された商品をトップページで推奨したり、AIチャットボットで24時間対応したりする取り組みが重要です。

顧客満足度を直接的に向上させられるほか、「あなたのために選んだ」という特別な体験を提供することが、激しいECサイト競争のなかで選ばれる理由となります。

柔軟な決済手段:BNPLやサブスク

アメリカ向けECサイトでは、決済のスムーズさや抵抗のなさが非常に重要です。特にアメリカでは、オンライン利用者の約2割が「ECサイトを信用しておらずクレジットカード情報を入力したくない」という調査結果もあり、多様な決済手段の提供が求められます。

なかでもBNPL(後払い)は、カードを持たない若年層を中心に急速に普及しており、高額商品の購入ハードルを下げる効果が実証されています。また、継続的な収益が見込めるサブスクリプションモデルも有効です。

柔軟な決済オプションを導入し、顧客がストレスなく支払いを完了できる設計にすることが求められます。なお、2023年にアメリカのオンラインストアでもっとも受け入れられた決済方法は「VISA」で、ECサイト・プラットフォームのうち96.1%で提供されました。

サステナビリティとリセール市場の確保

アメリカにおいて、特に若年層では環境や社会に対する姿勢を重視するケースが見られます。サステナビリティはイメージ戦略ではなく、ECサイトや自社商材の競争力を高める仕組みのひとつです。

たとえば、配送に関するエコな取り組みや資材にリサイクル素材を採用する、環境負荷の少ない製造方法などをサイト上で明確に伝えるだけでも、ブランドへの信頼に繋がります。

また、eBayやApple、Googleを始めとするリセール市場(中古品市場)が急成長している点も見逃せません。自社製品の買い取りや再販プログラムの導入も、循環型ビジネスへの貢献をアピールし、環境意識の高い新たな顧客層を獲得する機会となります。

配送スピードと返品対応

Amazonの翌日配送が基準となっているアメリカでは、配送スピードと返品プロセスの分かりやすさが顧客満足度を大きく左右します。なかでも、重視されるポイントが返送・返品ポリシーです。

調査によれば、アメリカの買い物客の16%が「返品ポリシーが不満足」という理由だけで購入を断念しています。つまり、「簡単で、できれば無料の返品」は、コストではなく顧客の信頼を得るための投資と考えるべきです。

「注文後、商品はいつ届くのか」「返品したい場合、手続きは簡単か」といった情報をサイトの目立つ場所に明記し、購入前の不安を徹底的に取り除く設計が、ECサイトのコンバージョンアップに貢献します。

メタバースとAR体験

アメリカを始めとするECサイトでは、AR(拡張現実)技術を活用した販売方法も人気を集めています。

ECの大きな課題は「商品を実際に手に取って試せない」ことですが、家具やインテリア雑貨を扱うなら、スマホのカメラを通して自宅の部屋に商品をバーチャル設置できるだけで競争力を高められるのが魅力です。

また、AIを用いてアパレルやコスメのバーチャル試着も人気を集めています。メタバース空間への出店はまだ実験的な段階ですが、AR機能は特に高額商材の多くなる分野において、購入に対する不安を解消して返品率を低下させる実用的なツールとして注目を集めています。

音声コマース(ボイスショッピング)

近年では音声を利用した商品注文も増えています。ただし、「アレクサ、〇〇を注文して」という音声による商品購入は、まだ日用品のリピート購入などが中心で、広く普及しているとは言えません。

一方で「音声”検索”への最適化(VSO)」は見逃せません。消費者はキーボードで打ち込むより、話し言葉で商品を検索する機会が増えています。たとえば「〇〇を△△△したいんだけど使い方を教えて」「〇〇はどこで買える?」といった、より具体的で会話的な検索クエリを想定する手法です。

サイト内のFAQや商品説明を充実させる設計が、新たな顧客接点を生み出すうえで重要になります。

アメリカでのEC販売を始める前に知っておきたい3つの注意点

アメリカ市場は購買力が高く、越境ECなどのグローバル展開を目指す日本企業にとって大きなチャンスがあります。しかし、単にプラットフォームに出店するだけでは成果を上げにくい可能性も。

ここでは、日本事業者がアメリカでEC販売を始める前に必ず押さえておきたい3つのポイントを解説します。

ブラックフライデーなど大型商戦が影響大

アメリカEC市場でもっとも重要な販促機会が、11月後半に開催されるブラックフライデーやサイバーマンデーです。年末商戦の幕開けには、消費者の購買意欲が年間で最高潮に達します

しかし、多くの企業が一斉にセールを行うため競争は熾烈です。成功のためには、早い段階からの戦略的な準備が欠かせません。

  • 早期の仕掛け:早い段階からプロモーションを開始し、見込み客のリスト(メールアドレスなど)を集めておく
  • 認知度向上:SNS広告やインフルエンサーマーケティングを活用し、セール本番前にブランドを知ってもらう
  • 付加価値の提供:単純な割引だけでなく、限定ギフト包装やお得なセット商品(バンドル)を用意し、他社との差別化を図る

大規模イベントを攻略することは、特に日本企業にとってブランド知名度を飛躍させるチャンスであり、アメリカ市場での成功の大きな足掛かりとなります。

2025年に行われた「夏のブラックフライデー」では、小売業者のオンライン売上高が前年比で30.3%増加するなど、ECサイトにおける大型商戦の影響が高まっています。

州ごとの税金や広大な国土への配送戦略が必須

アメリカでEC事業を展開するうえで、特に日本と大きく異なる2つの壁が存在します。それは「複雑な税制度」と「広大な国土への配送」です。

まず、アメリカの売上税(セールスタックス)は国ではなく、州や自治体ごとに税率やルールが細かく定められています。売上規模によっては日本からの越境EC事業者も課税対象となるため、専門家への相談や最新の法規制の確認が不可欠です。

次に、広大な国土をカバーする物流能力も必要です。東西海岸間だけでも数千キロ離れているため、日本から商品を直接発送していては、高額な送料と長い配送日数で現地の競合に太刀打ちできません

顧客満足度と競争力を保つため、Amazon FBAや現地の物流代行業者(3PL)を活用し、アメリカ国内に在庫を置いて発送する体制を整える取り組みが必要です。

BNPLを始めとする多様な決済手段が求められる

決済方法の選択肢の少なさは、顧客が購入をやめてしまう「カート放棄」の主な原因となります。アメリカの多様なニーズに応えるため、豊富な決済手段に応える取り組みが重要です。

特に、BNPL(後払い決済)は高価格帯の商品や若年層を中心に利用が拡大しており、2028年までにはアメリカのBNPL市場でユーザー数が約1億500万人に達すると見込まれています

ECプラットフォームを選ぶ段階から、どのような決済手段が導入可能か、競合でどのような決済手段が人気か確認しておくことが重要です。

生成AIがアメリカのECサイト事情を変える可能性も

従来のECサイトでは、ユーザー自身が検索エンジンやSNSで商品を探し、比較検討を経て購入に至るのが一般的でした。しかし、ChatGPTに代表される対話型AIの進化が、商品と出会うプロセス自体を根底から変えようとしています。

2025年10月にアメリカで発表されたChatGPTの新機能は、EC業界の変化を象徴するものであり、特に海外展開を考える事業者にとって見逃せない潮流です。

ここでは、アメリカ向け越境ECを検討している方へ向けて、生成AI「ChatGPT」によるカスタマージャーニーへの影響を解説します。

会話が購入に直結する「インスタントチェックアウト」機能

OpenAIがアメリカでリリースした「インスタントチェックアウト」とは、ユーザーがECサイトへ移動せず、ChatGPTのチャット画面内で決済まで完了できる機能です。

たとえば、ユーザーが「100ドル以下で、環境に優しい素材のヨガマットは?」と質問すると、AIが最適な商品をウェブ上から探し出し、チャットに表示します。ユーザーは提案された商品を気に入れば、その場を離れることなくチャット画面のまま商品を購入できる仕組みです。

インスタントチェックアウトは、これまで「検索→比較→サイト訪問→購入」と複数段階あった購買行動を、「会話→購入」というシンプルな体験へと変革。ユーザーの購入までの手間が大幅に削減されるため、購入離脱率の低下に繋がると期待されています。

集客方法が「広告」から「AIへの最適化」になる?

EC事業の集客方法は、従来の広告中心の戦略から「AIへの最適化」へと大きくシフトする可能性があります。

現状、ChatGPTのような対話型AIは、広告費の多さで商品を提案するのではなく、ユーザーの質問に対しもっとも関連性が高い商品を純粋な検索結果として表示します。その結果、これまでは多額の広告費を投じていた集客活動が、AIに自社の商品を高く評価させるための「質」の競争へと変化します。

AIが理解しやすい商品データを用意したり、専門性の高いコンテンツを作成したりといった最適化が重要になるかもしれません。

さらに、将来的には「Agentic Commerce Protocol (ACP)」というオープンな技術が公開される予定です。これが実現すれば、Etsyだけでなく独自ECサイトを含むあらゆる事業者が、AIを介した商品提案の対象となり得ます

ChatGPTが最初のパートナーとして選んだECサイトプラットフォームの「Etsy」は株価が16%急騰しました。Shopifyなど多数のECサイトプラットフォームと提携が見込まれており、今後の動向に注目が集まっています。

しかし、AIによる購買体験の変化は、広告予算の大小に関わらず全事業者にとって大きなチャンスです。これからのECマーケティングでは、「AIにいかにして選ばれるか」という視点が成功の鍵を握るでしょう。

現在考えられるAI最適化方法
  • AIが「理解」できるデータを用意する(構造化データ)
  • AIが「答え」を見つけられるコンテンツを作る(質の良いコンテンツ)
  • AIから「信頼」される存在になる(信頼性と権威性)
  • 商品情報を「一貫して管理」する(商材データの一元管理システム)

日本の事業者を後押しする「言語の壁の崩壊」

海外へのEC展開では、言語の違いが常に課題となってきました。しかし、ChatGPTのような高性能なAIによって、言葉の壁が事実上なくなりつつあります

アメリカのユーザーが英語で質問をしても、AIが商品の意図を汲み取り、適切に翻訳して提案する未来も近づいています。AIが言語を仲介してくれるため、日本の事業者はこれまで以上にスムーズに、広大なアメリカ市場へアプローチできる可能性が広がるのも事実です。

とはいえ、ChatGPTのショッピング機能を利用するには、Etsyなどで構築されたECサイトが裏側で必要なのは変わりありません。

言い換えれば、AIはあくまで強力な「新しい販売チャネル」であり、事業の土台となるECサイトが必要です。将来の変化に備え、EC基盤の整備とAIに最適化されたコンテンツの準備が求められます。

まとめ:巨大市場アメリカの攻略はトレンドを捉えたEC戦略が必須

1兆ドルを超える巨大なEC市場を持つアメリカは、日本の事業者にとっても大きなビジネスチャンスが眠っています。しかし、その市場はAmazonを筆頭とする巨大プレイヤーがひしめき、成功を収めるには現地の文化や消費行動に根ざした専門的な戦略が不可欠です。

  • どのECプラットフォームが自社に最適か?
  • モバイル最適化やソーシャルコマースといった最新トレンドをどう実装するか?
  • 州ごとに異なる税制や広大な国土への配送問題をどうクリアするか?
  • ChatGPTの登場で見えてきた「AIへの最適化」にどう備えるか?

複雑な課題を前に、一歩を踏み出せないでいる方も多いのではないでしょうか。もし、アメリカ向けのマーケティング戦略にお悩みの方は、この機会に株式会社マスドライバーまでご相談ください。

アメリカに支部を持つ株式会社マスドライバーでは、海外育ちのスタッフも多数在籍しており、現地トレンドの最新市場を肌で感じながら、日本企業のアメリカ進出をサポートしております。

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