【2026年】ものづくり補助金「グローバル枠」とは?採択率や事例をわかりやすく解説

2026.02.11

2025年10月公募(第22次公募)は2026年1月30日に締め切りになりました。第23次公募は3月~4月からです。
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円安の進行や国内市場の成熟化を背景に、海外市場へ活路を見出そうとする中小企業・小規模事業者が増えています。政府もこうした企業の海外進出を後押しするため、「ものづくり補助金」において「グローバル枠」という大型の支援枠を設けています。

簡単に言えば、ものづくり補助金の「グローバル枠」とは海外展開のための設備投資やマーケティング活動に使える補助金です。しかし、具体的な要件や採択率、どんな事例があるのかが良くわからない、と悩む事業者様も少なくありません。

この記事では、ものづくり補助金のグローバル枠とは何か、他の枠との違いや、求められる要件をわかりやすく解説します。2025年10月公募(第22次公募)の補助上限額や対象経費、採択事例についても触れていますので、あわせてご参照ください。

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この記事の目次

ものづくり補助金「グローバル枠」とは?

ものづくり補助金「グローバル枠」とは、中小企業・小規模事業者が海外市場へ進出するために必要な「設備投資」「システム構築」「マーケティング活動」などを支援する補助金制度です。

正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促補助金」で、特にグローバルな事業展開に特化しているのがグローバル枠の特徴です。

グローバル枠には、以下のいずれかの類型に該当する事業計画を策定し、実行する必要があります。

  • 海外直接投資:海外子会社の設立、M&A、新規設備投資など
  • 海外市場開拓:海外向け製品開発、ブランディング、海外展示会への出展、越境ECサイト構築など
  • インバウンド市場開拓:訪日外国人向けのサービス開発、免税対応、多言語対応システムの導入など
  • 海外企業と共同で行う事業:外国法人との共同研究・共同事業開発など

事業者目線では、海外進出にかかる機会や現地広告などの初期コストを、最大3,000万~4,000万円の補助金で負担軽減できるのがグローバル枠の魅力です。

グローバル枠と他の主要枠との違い

ものづくり補助金にはいくつかの申請枠があり、それぞれ目的や補助上限額が異なります。グローバル枠は、ほかの枠と比べて「海外展開」に特化しており、補助上限額も高く設定されているのが特徴です。

項目グローバル枠製品・サービス高付加価値化枠
主な目的・コンセプト海外市場への進出・開拓(海外投資、海外マーケ、インバウンド等)革新的な製品・サービスの開発、DX・GXへの取り組み
補助上限額
※賃上げ特例額を含む
3,000万~4,000万円
750万円~3,500万円
(従業員数に応じて)
補助下限額100万円100万円
補助率中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
経費対象海外市場開拓(輸出)であれば海外旅費、通訳・翻訳費等が追加設備投資費、システム構築費、試作開発費、外注費など
特徴海外展開の計画が必須。翻訳費や海外広告費も対象に顧客に新たな価値を提供する取り組み
出典元:中小機構補助金活用ナビ「ものづくり補助金のご案内
※補助上限額や補助率、枠の定義は公募回によって変更される可能性があります。必ず最新の公募要領をご確認ください。

なお、ものづくり補助金における「グローバル枠」「製品・サービス高付加価値化枠」は、それぞれ「大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例」を受けることで補助上限額が引き上げられます。上乗せ額は、100万円から最大1,000万円です。

ものづくり補助金「グローバル枠」を活用するメリット

ものづくり補助金の「グローバル枠」は、海外進出を目指す事業者にとって非常に強力な支援策です。具体的には、以下のようなメリットを得られます。

海外進出の初期コストを大幅に削減できる

ものづくり補助金「グローバル枠」を活用する最大のメリットは、その高い補助上限額にあります。

最大3,000万円(一部類型では4,000万円)という大きな支援枠により、通常であれば躊躇してしまうような高額な設備投資や、海外市場向けのプロモーション活動も積極的に踏み切れるのが魅力です。

「売る」ためのマーケティング費用も対象になる

「海外市場開拓(輸出)」の類型では、通常の補助金では対象外となりがちな「広告宣伝・販売促進費」や「海外旅費」といった費用も補助対象となります。

そのため、製品を「作る」ための設備投資だけでなく、海外市場で「売る」ための活動まで一気通貫で支援を受けられる点がほかの補助金にはない大きな強みです。越境ECサイトの構築なども補助金対象となるため、新たな販売チャネルもコストを抑えて獲得できます。

事業計画が具体化され、精度が向上する

グローバル枠の申請プロセスでは、「実現可能性調査(F/S:FeasibilityStudy)」の実施が必須要件とされています。この準備過程で、自社の強みや進出先市場の特性、競合の動向、具体的な収益計画までを徹底的に分析・言語化しなければなりません。

結果として、申請のためだけでなく、自社の海外展開戦略そのものが、より具体的で精度の高いものへとブラッシュアップされます。

ものづくり補助金「グローバル枠」に求められる要件

ものづくり補助金におけるグローバル枠の申請には、「①基本要件」「②グローバル枠追加要件」のすべてを満たす事業計画が必要です。

万が一、事前に見込んだ目標に達しなかった場合は、補助金の返還義務が生じます

ここでは、第22次公募分についてそれぞれの内容を解説します。

1.基本要件(全枠共通)

基本要件とは、グローバル枠を含む「ものづくり補助金」の全申請枠に共通する必須条件です。補助事業の実施期間(3〜5年)の計画において、以下のすべてを達成する必要があります。

  • 付加価値額の増加:補助事業終了後3〜5年の計画期間中、事業全体の「付加価値額」を年平均成長率3.0%以上増加させること「※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費」
  • 給与支給総額の増加:計画期間中、「給与支給総額基準値」を年平均成長率2.0%以上増加させること(※または、事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の平均成長率以上)
  • 事業場内最低賃金の引き上げ:計画期間中、事業を実施する場所の「最低賃金」を、地域別最低賃金より+30円以上の水準にすること
  • (従業員21名以上の場合)行動計画の策定:従業員数が21名以上の事業者は、「一般事業主行動計画」を策定し、公表する必要がある

2.グローバル枠の追加要件

グローバル枠追加要件では、「海外直接投資」「輸出」「インバウンド」「海外企業との共同事業」といった4つの事業類型のうち、どれか1つに該当する必要があります。

また、共通要件として以下の2つが加わります

  • 海外事業に関する実現可能性調査を実施すること
  • 社内に海外事業の専門人材を有すること、又は海外事業に関する外部専門家と連携すること

ただし、これは2025年10月に公開された第22次公募の詳細であり、公募回が変わると条件も変わる可能性にご注意ください。

海外への直接投資に関する事業

海外に新たな拠点を設け、製造・販売・サービス提供などの事業展開を行うための、国内での設備投資が対象です。

  • 国内に本社があり、補助対象経費の1/2以上が海外支店・海外子会社の経費となること
  • 国内事業所でも、海外事業と一体的な設備投資(機械装置の取得など)を行うこと
  • 申請時に、海外子会社の事業概要や財務諸表が分かる資料を提出すること

海外市場開拓(輸出)に関する事業

海外展開を目的として、製品・サービスの開発・改良、ブランディングや新規販路開拓に取り組む事業です。「海外の展示会への出展」「海外向けECサイトの構築」「海外向けの新製品開発」などが該当します。

  • 国内に補助事業の実施場所を有すること
  • 製品・サービスの最終販売先の1/2以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画であること
  • 申請時に、具体的な想定顧客が分かる海外市場調査報告書(事前のマーケティング調査に基づくもの)を提出すること

インバウンド対応に関する事業

海外からのインバウンド(訪日外国人)需要を獲得することを目的とした、製品・サービスの開発・提供体制を構築する事業です。

  • (類型2と同様)国内に実施場所を有し、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画であること。
  • インバウンド需要の獲得を目的とした、新たなサービスや製品開発のための設備投資であること。

海外企業と共同で行う事業

外国法人(海外企業)との共同研究や共同事業開発により、新たに成果物(製品やサービス)を生み出す事業です。

  • (類型2と同様)国内に実施場所を有し、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画であること。
  • 具体的な海外企業との共同事業であることが明確であり、そのための設備投資であること。

ものづくり補助金「グローバル枠」の採択率

現時点で最新の採択結果による、第21次公募(令和7年7月25日~令和7年10月24日)ものづくり補助金「グローバル枠」の採択率は以下のとおりです。

  • 申請数:105者
  • 採択数:23者
  • 採択率:約21.9%
出典元:ものづくり補助事業公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト採択結果

「製品・サービス高付加価値化枠」が約34.5%な点を踏まえると、直近のグローバル枠における採択率は低い傾向にあると言えます。

ものづくり補助金「グローバル枠」の補助内容

グローバル枠の補助内容には、主に「補助額・補助率」と「補助対象経費」の2つのポイントがあります。

補助額と補助率

補助額は原則「100万~3,000万円」です。ほかの枠とは異なり、従業員数に関わらず、上限が一律3,000万円となります。ただし、「大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例」を受けると、従業員数に応じて、別途追加で最大1,000万円の補助金を受けることが可能です。

補助率
  • 中小企業:1/2
  • 小規模企業者・小規模事業者:2/3
  • 補助額(申請金額)に関わらず、事業者の規模によって上記の補助率が適用される
小規模事業者の定義
  • 製造業、その他:20人以下
  • 商業・サービス業:5人以下
  • 宿泊業・娯楽業:20人以下

補助対象経費

ものづくり補助金では、設備投資を行うことが必須です。具体的には、必ず単価50万円(税抜き)以上の機械装置等を取得して、納品・検収等を行う必要があります。

また、事業にかかる経費は、メインの「①機械装置・システム構築費」と、それ以外の「②その他の経費(外注費、専門家経費、海外旅費など)」に分かれます。「②その他経費」は、グローバル枠だと総額で1,000万円(税抜き)までが補助上限額です。

A)全枠共通の経費

  • 機械装置・システム構築費(必須)
  • 外注費、専門家経費、クラウド利用費など、一般的な経費
具体例
  • 機械装置・システム構築費
    • 具体例:「海外向けECサイトの開発・構築費用」「AI翻訳システムや専用機器の導入コスト」など
  • 運搬費
    • 具体例:「(事業計画で必要な)既存設備の移設・運搬料」「開発サンプルの発送費用」など
  • 技術導入費
    • 具体例:「事業に必要な特許ライセンスの取得費用」「ノウハウの導入にかかる費用」など
  • 知的財産権等関連経費
    • 具体例:「海外特許出願時の翻訳ドキュメント作成費」「弁理士への申請代行手数料や相談料」など
  • 外注費
    • 具体例:「製品パッケージのデザイン委託料」「自社でできない加工(塗装など)の外部委託費」など
  • 専門家経費
    • 具体例:「税理士や公認会計士への財務コンサル依頼料」「(開発に関する)大学教授や技術専門家への指導料」など
  • クラウドサービス利用費
    • 具体例:「SaaSやクラウドの初期登録費用、月額利用料」「(事業で使用する)サーバーのレンタル費用」など
  • 原材料費
    • 具体例:「新製品の試作に必要な材料の購入費」「(試作に必要な)補助的な資材費」など

B)「海外輸出」事業限定の特別経費

グローバル枠の大きな特徴として、事業が「海外市場開拓(輸出)」に該当する場合のみ、以下の3つの経費も対象にできます。

海外旅費
  • 海外出張の渡航費や宿泊費
  • 上限:経費全体の1/5(20%)まで
通訳・翻訳費
  • 会議の通訳や、資料の翻訳にかかる費用(※ただし、翻訳は広告宣伝・販売促進に必要な翻訳のみに限定)
  • 上限:経費全体の1/5(20%)まで、かつ上限30万円
広告宣伝・販売促進費
  • 海外向けのWeb広告、海外の展示会への出展費用など
  • 上限:経費全体の1/2(50%)まで

ものづくり補助金「グローバル枠」の申請手順

グローバル枠の申請は、大きく分けて「1.事前準備」「2.申請」「3.審査・採択」「4.交付決定・事業開始」の4つのステップで進みます。

ステップ1:事前準備(申請前)

やるべきこと:GビズIDプライムの取得

ものづくり補助金の申請は、すべて「電子申請システム」で行います。このシステムを利用するために、「GビズIDプライムアカウント」が必須です。

GビズIDのアカウント作成/ログインページ

プライムアカウントの発行には審査が必要なため、公募が始まる前から早めに取得手続きを行いましょう。なお、2026年7月以降はアカウント有効期限が設定されるため、失効前に定期的な更新が大切です。

ステップ2:申請(公募期間中)

やるべきこと:電子申請システムで必要書類を提出する

公募期間内に、電子申請システムを通じて申請書類一式を提出します。スケジュールや必要書類等は以下のとおりです。

A.スケジュール(第22次公募の場合)

  • 申請締切:2026年1月30日(金)17:00(厳守)

注意点:締切直前はシステムが混雑するため、余裕を持って申請するのをおすすめします。

B.申請方法とグローバル枠特有の重要書類

申請の基本ルールとして、申請はかならず代表者等の申請者自身が、内容を理解したうえで行いましょう。外部支援機関の担当者が申請作業を代行すると、「事業の主体性がない」とみなされ補助対象外となります。

グローバル枠の採択率を高めるためにも、以下の行動は避けましょう

主体性がないとみなされる行動
  • GビズIDを他者に貸し出す
  • 他者が取得したGビズIDを使用する
  • 事務局との窓口担当者を外部の支援機関等に任せる など

なお、ものづくり補助金のグローバル枠で申請する場合は、特に重要な提出書類として「事業計画書」と「海外事業の準備状況を示す書類」を用意しましょう。

海外事業の準備状況を示す書類では、申請する海外展開の類型(①~④)に応じて、以下のいずれかの資料(日本語または日本語訳付き)を提出します。

  • ①海外への直接投資:海外子会社の事業概要、財務諸表、株主構成が分かる資料
  • ②海外市場開拓(輸出):事前のマーケティング調査に基づく、想定顧客が分かる海外市場調査報告書
  • ③インバウンド対応:想定顧客が具体的に分かるインバウンド市場調査報告書
  • ④海外企業との共同事業:共同研究契約書または業務提携契約書(検討中の案でも可)

C.事業計画書に必ず盛り込む内容(グローバル枠)

グローバル枠の審査を通過するため、事業計画書には以下の4点を必ず記載します。

  • グローバル要件の明記:上記海外展開の①~④のどの類型に該当するかを明記します
  • 実現可能性調査(F/S)の反映:市場調査や現地規制調査など、海外事業の実現可能性を調査した内容を反映させます(上記B-2の書類として提出)
  • 専門人材・体制の確保:社内に海外事業の専門人材がいること、または外部専門家と連携していることを明記します
  • マーケティング戦略:審査で評価されるよう、具体的に記載します

特にグローバル枠の審査では、「マーケティング戦略」の具体性と実現可能性が厳しく評価されます。お困りの方は、ぜひ株式会社マスドライバーまでご相談ください。アメリカ支社の知見を活かし、審査を通過するための具体的な海外市場調査や、戦略立案をサポートいたします

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ステップ3:審査・採択(申請締切後)

やるべきこと:書面審査→(場合により)口頭審査→採択公表を待つ

審査

外部有識者による書面審査が行われます。グローバル枠では、海外展開の実施体制や専門性、市場調査の有無などが評価されます。一定の基準を満たした法人代表者は、オンライン(Zoom等)での口頭審査(代表者1名が対応)の対象となる場合があります。

採択公表(第22次公募:2026年4月下旬頃予定)

審査を通過すると、「補助金交付候補者」として採択されます。

ステップ4:交付申請・交付決定(採択後)

やるべきこと:交付申請→交付決定→事業開始

採択されただけでは補助事業(機械の発注など)を開始できません。「交付決定」を受ける必要があります。「交付決定日」よりも前に発注・契約・購入した経費は、いかなる理由があっても補助対象外となるためご注意ください。

  1. 交付申請:
    • 採択発表後、速やかに(原則2か月以内)交付申請を行います。
    • この時点で、申請時の事業計画スケジュール通りに進捗していない場合、採択が取り消される可能性があるため注意が必要です。
    • 経費算出のため、原則2者以上(一部条件で3者以上)の相見積書を提出します。
  2. 交付決定:
    • 事務局が経費を精査し、補助金の交付決定額が通知されます。
  3. 補助事業開始:
    • 「交付決定日」以降に、機械の発注や契約が可能になります。

ものづくり補助金「グローバル枠」における実際の成功事例

ここでは、「令和5年度ものづくり補助金成果事例集」をもとに、グローバル枠の活用で事業成長・補助金を有効活用できた事例をご紹介します。

株式会社epocトレーディング(神奈川県)|海外の取引先とのやり取りを効率化

株式会社epocトレーディングは、日本の新鮮な魚介類などを、海外(主にタイ)の日本食レストランに輸出・販売している会社です。コロナ禍でタイの飲食店が大打撃を受け、輸出が激減してしまいました。

また、従来の注文方法(電話、メール、LINEなど)がバラバラで、とりまとめや出荷指示に時間と手間がかかっていたのも課題だと言います。

ものづくり補助金をどう活用したか

そこで、日本の生産者と海外の飲食店を直接繋ぐ、スマートフォンアプリ(グローバル受発注アプリ)を開発。海外の飲食店は日本語・英語・タイ語で直接注文でき、請求履歴や配送状況も確認できるようになりました。

その結果、電話やメールでのやり取りがなくなり、受発注業務の時間が大幅に削減。日本の生産者は海外の需要を直接把握でき、安定した販路拡大のチャンスが生まれました。

アナログだったサプライチェーン(仕入れから販売までの流れ)をDX化し、デジタル技術(アプリ開発)を活用して海外販路開拓のチャンスに変えた事例です。

株式会社キョクトー(愛知県)|技術革新で海外シェア拡大

株式会社キョクトーは、自動車のボディを作る溶接ロボットに使われる、電極を研磨する部品(チップドレッサー)の専門メーカー。国内シェア8割、海外シェア4割を持つトップ企業です。

車のボディが鉄からアルミ合金に変わるなかで、研磨部品(カッター刃)の消耗が激しくなり、交換頻度が増えてコスト増や生産ライン停止の原因になっていました。刃の表面を非常に滑らかにする「ラップ加工」が必要でしたが、自社にその設備がなく、外注面でコストや納期が課題に。

ものづくり補助金をどう活用したか

そこで、カッター刃の表面を鏡のように滑らかにするための高精度な「ラッピング加工機」を導入し、これまで外注していた工程を内製化。初めての加工技術だったものの、設備メーカーのサポートを受けながら試行錯誤し、新しい生産工程を確立しました。

目標としていた以上に長持ちする(耐久性が高い)カッター刃の開発に成功。製品品質の向上で顧客満足度も高まったほか、新規導入が増加し、海外シェアが約40%ほどから55%までに大きく伸びました。

補助金を活用して技術革新(新設備導入と内製化)を実現し、コア技術の内製化によって、品質向上・コスト削減・海外シェア獲得と大きな成果につながった好事例です。

株式会社巌邑堂(静岡県)|老舗和菓子屋が世界へ挑戦

株式会社巌邑堂(がんゆうどう)は、創業150年を超える浜松市の老舗和菓子店です。伝統を守りつつ、東京や海外にも店舗を展開し、和菓子の魅力を発信しています。海外での和菓子人気や、コロナ後のインバウンド(外国人観光客)需要の増加に対応したいものの、既存の設備では生産能力に限界がありました。

また、海外へ輸出するには、賞味期限を長くする必要があり、さらに国際的な食品安全基準(アメリカのFDA認証)に対応できる品質保証体制が必要なのも課題になったそうです。

ものづくり補助金をどう活用したか

そこで一度に多くの餡を作ることができ、品質も向上する新型の「製餡機」を導入しました。1回の稼働で生産量も約4倍に跳ね上がり、製造時間も短縮。高まるインバウンド需要に応えやすくなりました

また、餡や和菓子キットをより高い品質で長期間保存できる高機能な「真空包装機」によって、賞味期限は10日から1ヶ月に延長。自社で品質検査ができる環境を整えたことで国際基準(FDA認証)取得の目処が立ち、海外輸出へ繋げる基盤を整えられたと言います。

ものづくり補助金「グローバル枠」の申請を成功させるための4つの注意点

補助金には多くのメリットがある一方、申請にあたっていくつかの注意点があります。

  • 採択率に見合う事業計画書が必須
  • 補助金は「後払い」が原則で資金繰り計画が必要
  • 公募期間が短く準備時間が限られる
  • 事業計画未達による「補助金返納」のリスク

採択率に見合う事業計画書が必須

グローバル枠の採択率は20%台で推移することもあり、審査は非常に厳格です。「なぜ今、その国(市場)へ進出するのか」「競合他社とどう戦うのか」「今回投資する設備が、海外事業にどう貢献するのか」といった点を、審査員を納得させられるレベルで論理的に説明できる計画書が求められます。

補助金は「後払い」が原則で資金繰り計画が必要

すべての補助金に共通しますが、補助金は事業を実施し、設備投資等の支払いをすべて完了させた後に受け取る「精算払い(後払い)」が原則です。採択が決定しても、まずは必要な経費の全額を自社で立て替える必要があります

そのため、高額な投資になる場合は特に、金融機関からの「つなぎ融資」の準備など、資金繰りの計画も並行して進めることが重要です。また、補助金交付が決定される前に購入した機材等は、すべて補助金対象外となる点にもご注意ください。

公募期間が短く準備時間が限られる

ものづくり補助金は、公募開始から締切までの期間が比較的短い傾向にあります。特にグローバル枠で求められるF/S(実現可能性調査)や精緻な計画書を短期間でゼロから作成するのは困難です。

公募はコンスタントに行われているものの、まれに条件が変動するため、公募開始前から情報収集を進めて早めに準備するのをおすすめします。

事業計画未達による「補助金返納」のリスク

補助事業の完了後、事業計画書で定めた「賃金の増加」や「最低賃金の引き上げ」(基本要件)が達成できなかった場合、補助金の一部またはすべての返納を求められる可能性があります。

採択されたい一心で、達成不可能な無理のある数値目標を設定することは避け、実現可能な範囲で最大限の計画を立てることが大切です。

まとめ:ものづくり補助金のグローバル枠は事前の計画が重要

ものづくり補助金「グローバル枠」とは、海外進出を目指す中小企業にとって、最大3,000万円(最大4,000万円)という強力な支援を受けられる制度です。設備投資だけでなく、類型によっては翻訳や海外広告費といったマーケティング費用も対象となるため、海外市場開拓の大きな足がかりとなります。

ただし、採択率は20%~30%と難易度が非常に高く、採択されるには海外市場の分析に基づいた精緻な事業計画書が不可欠です。どの市場を狙い、どのような戦略で進出するのか、専門的な知見が求められます。

もし、「グローバル枠を活用したいが、海外市場の分析や具体的なマーケティング戦略が描けない」「採択される事業計画書の書き方がわからない」とお考えの方は、海外事業展開のサポート実績が豊富な「株式会社マスドライバー」にご相談ください。

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この記事を書いた人

牧野 徹郎

牧野 徹郎

まきの てつろう

総合的なデジタルマーケティングを得意とし、15年以上のキャリアを持つマーケター。神奈川県出身で、現在はアメリカ・テキサス州ダラスに在住。広告運用からキャリアをスタートし、アプリマーケティング全般を手がけながら、インストール促進からLTV最大化まで一貫して取り組んできました。独立・起業を経て、自社サービスの成長に必要なSEO、広告、Web制作のノウハウを徹底的に磨き、現在はクライアントのビジネス成功をサポートすることに注力しています。

近年では、生成AIやAIエージェントを活用したマーケティングおよび業務自動化にも精通。
法人向けeラーニング講座「DX・AI活用人材開発オンライン講座」にて講師としても登壇。AIの基礎からマーケティングへの活用、業務自動化への応用まで、実務に即したAI活用法を体系的に解説するなど、企業のDX推進と人材リスキリングにも力を注いでいる。

この記事の監修をした人

新崎千裕

新崎千裕

しんざき ちひろ

東京生まれ。慶應義塾大学在学中にカリフォルニア大学アーバイン校へ交換留学し、グローバルキャリアを志す。2009年に同大学商学部を卒業。セント・ジョンズ大学でスポーツビジネスの修士号を取得。
2015年に米国で起業。通信事業の拡大・売却を経て、現在は在米邦人向けSIMサービス「アメスマ」を運営するほか、米国スポーツ留学サービス「Up Next」や医療系スタートアップや飲食事業への投資など多角的に事業を展開。
西海岸最大級のエンジェル投資家グループ「NuFund Venture Group」のメンバーとして日米のスタートアップ企業を支援するほか、文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」への寄付活動にも尽力している。

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